AIエンジニアの年収相場|統計で見る平均と年齢別レンジ
結論:AIエンジニアの年収は「約580万〜890万円」の幅で見る
AIエンジニアという職種名は公的統計の職種区分には存在しません。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」には該当区分がないため、実際の仕事内容に近い区分で置き換えて確認する必要があります。e-stat.go.jp
同じ統計を仕事内容の近さで3区分に当てはめて年収換算すると、設計・上流を担う「システムコンサルタント・設計者」が約889.0万円、研究開発の「研究者」が約802.0万円、実装中心の「ソフトウェア作成者」が約578.5万円という水準になります。offers.jp
つまり「AIエンジニアだから年収○万円」と一律に決まるわけではなく、担当範囲によって300万円以上の差が出る点を先に押さえておきましょう。
- 設計・上流中心:年収換算 約889.0万円(企業規模1,000人以上では約1,010.4万円)
- 研究開発中心:年収換算 約802.0万円(同 約836.9万円)
- 実装・運用中心:年収換算 約578.5万円(同 約640.9万円)
公的統計が示す全体水準とIT・専門職の位置
比較の土台として、令和7年賃金構造基本統計調査の一般労働者(男女計)は所定内給与340.6千円、年収換算でおおむね490万円前後です。男性373.4千円(約540万円)、女性285.9千円(約410万円)で、男女間賃金格差は76.6となっています。mhlw.go.jp
産業別では電気・ガス・熱供給・水道が444.0千円(約640万円)、学術研究・専門・技術サービス業が440.3千円(約635万円)、情報通信業が406.0千円(約585万円)です。mhlw.go.jp
学歴別では大学卒が396.3千円(約570万円)、大学院卒が517.4千円。AIエンジニアは情報通信業や学術研究・専門系に所属することが多く、全体平均よりは高い帯に位置しやすい一方、職種とスキルによる個人差が大きい領域です。
- 一般労働者・男女計:月額340.6千円/年収換算 約490万円
- 情報通信業:月額406.0千円/年収換算 約585万円
- 学術研究・専門・技術サービス業:月額440.3千円/年収換算 約635万円
- 大学卒:月額396.3千円/年収換算 約570万円
年齢別に見ると伸び方に差が出る
同じ近い区分でも、年齢による伸び方は異なります。企業規模計・男女計の数値を年収換算すると、30〜34歳ではシステムコンサルタント・設計者 約866.1万円、研究者 約661.1万円、ソフトウェア作成者 約559.5万円です。offers.jp
40〜44歳では同順に約1,189.0万円、約881.0万円、約686.3万円となり、設計寄りの仕事ほど40代での水準が高くなる傾向が読み取れます。ソフトウェア作成者は45〜49歳の約729.2万円を境に横ばいになる点も特徴です。offers.jp
公的な職業情報サイトjobtagでは、AIエンジニアの平均年収は628万9,000円とされています。民間給与実態統計調査の給与所得者全体478万円と比べると高い水準ですが、これは「平均」であり、個人の年収を保証する数字ではありません。tech-go.jp
- 25〜29歳:設計 約641.6万円/研究 約538.6万円/実装 約484.7万円
- 30〜34歳:設計 約866.1万円/研究 約661.1万円/実装 約559.5万円
- 40〜44歳:設計 約1,189.0万円/研究 約881.0万円/実装 約686.3万円
- jobtag上のAIエンジニア平均年収:628万9,000円
求人市場での提示年収は下限600万円・上限1,200万円(中央値)
求人側の水準も見ておきましょう。IT職の正社員求人のうち、職種名にAIエンジニアや機械学習エンジニアを掲げる求人の提示年収は、下限の中央値が600万円、上限の中央値が1,200万円でした。offers.jp
IT職全体では下限の中央値540万円・上限の中央値970万円ですので、上限側で230万円ほど高い計算になります。ただし同じ求人の中での下限と上限の幅も広く、提示額はスキルと担当範囲によって変動します。offers.jp
なお、これらの求人データや区分別の年収換算値は編集部による集計・推計であり、実際の支給額を保証するものではありません。
- AIエンジニア求人:下限中央値 600万円/上限中央値 1,200万円
- IT職全体:下限中央値 540万円/上限中央値 970万円
- 求人票の上限は「到達可能性」を含む提示であり、内定額とは限らない
経験年数・ITSSレベル別の年収目安
経験年数で見た場合の目安も紹介されています。1〜4年で年収換算370万〜420万円、5〜9年で440万〜500万円、10〜14年で480万〜550万円、15年以上で580万〜650万円という整理です。tech-go.jp
ITSSレベル別では、レベル1〜2が420万〜620万円、レベル3が450万〜700万円、レベル4が500万〜780万円、レベル5以上が600万〜950万円とされています。tech-go.jp
これらはレンジの目安であり、企業規模・地域・職種区分によって実際の金額は変わります。自分がどの区分に近いかを判断するときは、肩書きよりも日々の業務内容で考えると誤差が小さくなります。
- 実装・運用が中心:ソフトウェア作成者に近い区分(年収換算 約578.5万円〜)
- 方式設計や全体設計の時間が長い:システムコンサルタント・設計者に近い区分(約889.0万円〜)
- 新しい手法の検証や論文執筆が主業務:研究者に近い区分(約802.0万円〜)
年収を上げるために現実的な4つの打ち手
AIエンジニアの年収を左右するのは、手法の名前よりも「どの範囲を自分の判断で担ったか」です。モデル精度の改善だけでなく、本番環境への組み込み、推論速度やコストの改善、データ収集の設計、評価の仕組みづくりまで担うと、統計上の近い区分が設計側へ移り、年収レンジも変わってきます。offers.jp
転職で高い提示を狙う場合は、職種名が「AIエンジニア」でなくても、機械学習やデータ基盤を含む求人まで検索範囲を広げる、求人の下限と上限を読み分けるといった方法が現実的です。offers.jp
いずれの場合も、年収は企業の業績や評価制度、勤務地など複数条件で決まるため、特定の金額を保証するものではない点は理解しておきましょう。
- 担当した範囲と成果を、業務の流れに沿って職務経歴書に書く
- AI関連に限定せず、データ基盤・MLOps・分析職まで求人を広げる
- 求人票の下限は「最低ライン」、上限は「到達ライン」として読む
- 企業規模1,000人以上では区分別の年収換算が高くなる傾向を参考にする
この記事のポイント
- AIエンジニアという公的統計区分はなく、近い3区分で見ると年収換算は約578.5万〜889.0万円
- jobtag上のAIエンジニア平均年収は628万9,000円、全体平均478万円より高い水準
- 求人提示は下限中央値600万円・上限中央値1,200万円で、幅が大きい
- 40代では設計寄り約1,189.0万円、実装寄り約686.3万円と、担当範囲で差が広がる
- 年収は企業規模・地域・評価制度で変わるため、提示額や統計値は目安として使う