警部補の年収はいくら?平均年収・手取り・昇任別の目安を解説
警部補の年収はどのくらい?結論となる目安レンジ
警部補は警察官の階級でいうと、警視総監・警視監・警視長・警視正・警視・警部に次ぐ第7位に位置し、交番所長や警察署の係長など現場のリーダーを担う立場です。全国の警察官のおよそ29%、約87,000人が警部補とされており、いわゆる中級幹部にあたります。
公表されている給与モデルや俸給表をもとに年収を概算すると、警部補の年収はおおむね550万〜750万円程度、中心的なレンジは600万〜700万円程度と考えられます。ただしこれは勤続年数・学歴・地域手当・各種手当・勤務状況によって大きく変動する目安であり、一律に保証される金額ではありません。
- 30代前半の若手警部補:年収500万〜600万円台のことが多い
- 30代半ば〜40代の標準的な警部補:年収600万〜700万円台が中心
- 統括警部補や係長級の中堅:年収700万円前後〜750万円程度になる場合もある
- 寒冷地手当・特殊勤務手当・時間外勤務手当の有無で数十万円単位で変動する
月給ベースの実態:警察の給与モデルで見る警部補
北海道警察が公開している給与モデルでは、警部補のケースとして「大卒35歳・勤続13年・妻と子2人の持ち家」という条件が示されています。このモデルでは給料が約336,300円、扶養手当約26,000円、地域手当約10,800円、通勤手当約34,700円を合計し、月額の合計は約407,800円となっています。
同じ資料では、より上位の区分として月額合計が約493,800円(給料約419,800円、扶養手当約26,000円、地域手当約13,300円、通勤手当約34,700円)となるケースも示されており、勤続年数や号俸の違いによって月給に大きな幅があることがわかります。
- 月額合計の一例:約407,800円(大卒35歳・勤続13年モデル)
- 月額合計の一例:約493,800円(より上位の号俸モデル)
- 月給の内訳は「給料+扶養手当+地域手当+通勤手当」など
- このほか特殊勤務手当・休日勤務手当・時間外勤務手当・宿日直手当・寒冷地手当が加算される場合がある
年収換算すると?月給とボーナスから計算する
年収は「月給×12カ月+期末・勤勉手当(ボーナス)+各種手当」で構成されます。2025年(令和7年)の人事院勧告では、国家公務員の月給が平均3.62%(15,014円)引き上げられ、ボーナス(期末・勤勉手当)も年間4.65カ月分に増額されることが示されました。警察官の給与は公安職俸給表(一)が基本となるため、この動きは警部補の年収にも影響します。
たとえば月額合計が約40.8万円のケースでは、月給部分だけで約489万円。これにボーナス相当を加えると年収600万円台に届く計算になります。一方、号俸が低い若手の警部補では月額合計が35万円前後となることもあり、その場合は年収500万円台にとどまることもあります。
- 月額合計40万円前後:年収600万〜700万円台の中心レンジ
- 月額合計35万円前後:年収500万〜600万円台
- 月額合計49万円前後:年収700万円台に届くことも
- ボーナスは年間4.65カ月分(2025年勧告ベース)が目安
公安職俸給表(一)で見る警部補の号俸
警部補の給与は公安職俸給表(一)の3級〜5級あたりが中心です。2025年4月1日現在の同表では、3級1号俸が269,600円、4級1号俸が308,200円、5級1号俸が344,100円となっています。統括警部補として選任された場合は警部と同じ5級職の給与等級が支給される運用があり、年収にも差が生まれます。
- 3級1号俸:269,600円(2025年4月1日現在)
- 4級1号俸:308,200円(2025年4月1日現在)
- 5級1号俸:344,100円(2025年4月1日現在)
- 5級職の統括警部補は、一般の警部補より上位の給与等級となる
手取りはどうなる?年収から天引きされるもの
年収からは所得税・住民税・社会保険料・共済組合掛金などが差し引かれ、手取りは額面より少なくなります。一般的な目安として、額面年収のおよそ75〜80%程度が手取りになると考えておくとよいでしょう。年収650万円の場合、手取りは年間でおよそ490万〜520万円程度が目安になります。
警察官は宿日直や時間外勤務が多い職場もあり、当直・休日勤務に対する手当が月ごとに変動します。そのため同じ階級・同じ号俸でも、配属先や勤務状況によって手取り額に差が出やすい点には注意が必要です。
- 手取りの目安:額面年収のおよそ75〜80%
- 年収600万円:手取りはおおよそ450万〜480万円程度
- 年収700万円:手取りはおおよそ530万〜560万円程度
- 時間外・休日勤務手当の増減で毎月の手取りは変動する
巡査部長・警部との比較で見る警部補の位置づけ
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、一般労働者の役職別賃金は男女計で係長級399.2千円、課長級529.2千円、部長級635.8千円、非役職者310.5千円とされています。警部補は主任〜係長級に相当する立場とされ、この水準と比べても遜色ない位置づけといえます。
警察組織では、巡査部長から警部補への昇任試験に合格することで階級が上がります。大卒・専門(4年制)卒で巡査部長として2年以上、短大卒で3年以上、高卒等で4年以上の実務経験があれば受験資格が得られるため、早い人では20代で警部補に昇任するケースもあります。
- 巡査部長:現場の中核を担うが、警部補より給与等級は下
- 警部補:主任〜係長級。年収600万〜700万円台が中心レンジ
- 警部:係長級以上。さらに年収が上がる
- 役職別賃金(男女計):係長級399.2千円/課長級529.2千円(月額)
警部補の年収に関する注意点
警部補の年収は、勤務する都道府県・地域手当の割合・号俸・家族構成・当直や時間外勤務の量によって大きく変わります。公表されているモデルケースはあくまで一例であり、すべての警部補が同じ年収になるわけではありません。
また警察官全体の平均年収について、今回確認できた公的資料の中には階級別の平均年収を明示した数値が含まれていませんでした。警部補単独の全国平均年収は、公開情報だけでは断定できない点を明記しておきます。正確な金額は各都道府県警察の採用案内や給与モデル、人事院・総務省の公表資料をあわせて確認してください。
- 地域手当は自治体ごとに割合が異なる
- 家族構成により扶養手当・住居手当が変わる
- 当直・時間外勤務の多い部署では手当が増える
- 警部補単独の全国平均年収を示す公的統計は確認できなかった
この記事のポイント
- 警部補の年収はおおむね550万〜750万円、中心は600万〜700万円程度
- 月給モデル例は約40.8万円(大卒35歳・勤続13年)、上位例は約49.4万円
- 年収は月給×12+期末・勤勉手当(年間4.65カ月分が目安)+諸手当で構成
- 手取りは額面のおよそ75〜80%が目安
- 号俸・地域手当・勤務状況で大きく変動し、一律の金額は保証されない