警察官の年収はいくら?平均約779万円の内訳と経験年数別の目安

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警察官の年収は「一律の平均」では語れない

警察官の年収を調べると「全国平均700万円」といった数字を見かけますが、これは公的機関が発表した公式の平均年収ではありません。総務省の統計に載っているのは「平均給与月額」と「期末・勤勉手当の支給年額」で、年収そのものは公表されていません。

実際の年収は、採用区分(Ⅰ類・Ⅲ類など)、学歴、勤務年数、勤務地(地域手当)、昇任の有無、時間外勤務の多少で大きく動きます。本記事では、公的統計の実額と採用先の公式モデルを分けて整理し、おおよその万円レンジを示します。

  • 全国の警察職(総務省・令和7年調査)の平均年齢は39.4歳
  • 平均給与月額は494,513円、期末・勤勉手当は年額1,855,952円
  • 月額×12+期末勤勉手当の参考試算は約779万円(時間外手当を含む)
  • 20代の年収でも、将来の保証額でもない点に注意

総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」で見る全国の警察職

総務省の調査には、都道府県警察の警察官(統計上の職種名は「警察職」)の平均額が掲載されています。月額は令和7年4月分、期末・勤勉手当は令和6年度の支給年額です。

この統計は「年収」を公表していないため、月額と年額の部品を足し合わせた参考値を出すと、平均給与月額494,513円×12か月+期末・勤勉手当1,855,952円=約779万円となります。ただしこれは平均年齢39.4歳・管理職を含む全警察官の平均であり、若手個人の年収を示すものではありません。

  • 職員数:258,616人/平均年齢:39.4歳
  • 平均給料月額(基本給):345,913円
  • 諸手当月額(時間外・地域・扶養など):148,600円
  • 平均給与月額(給料+諸手当):494,513円
  • 期末・勤勉手当(1人当たり年額):1,855,952円(期末996,947円+勤勉859,005円)

経験年数別・学歴別の平均給料月額(手当・賞与を含まない基本給)

年代別の年収は警察職の統計に存在しないため、代わりに使えるのが経験年数別・学歴別の平均給料月額です。これは手当と賞与を含まない基本給の平均で、実際の月収はこれに地域手当や時間外勤務手当などが加わります。

採用直後は大学卒と高校卒で月額約3万円の差がありますが、経験30年を超えると差は約1万円まで縮まります。この統計を見るかぎり、平均給料の差は学歴よりも経験年数のほうに大きく表れます。

  • 1年未満:大学卒257,614円/高校卒228,172円
  • 10年以上15年未満:大学卒319,094円/高校卒296,896円
  • 20年以上25年未満:大学卒395,348円/高校卒368,541円
  • 30年以上35年未満:大学卒427,628円/高校卒417,220円
  • 全体平均:大学卒348,722円/高校卒343,342円/学歴計345,913円

採用先の公式モデル年収(警視庁・警察庁の例)

採用先が公表しているモデル年収は、出典と対象が明確な数値です。警視庁は2026年1月1日時点の警察官モデルとして、実務2年目の年収例をⅠ類657万4,400円、Ⅲ類604万5,700円と案内しています。初任給はⅠ類321,900円、Ⅲ類279,400円(いずれも地域手当20%を含む)です。

警察庁の選考採用(係長級・総合職相当)では、本庁係長級(総合職事務系・大卒4年目)のモデル給与例として年収約650万円が示されています。ただし超過勤務手当・扶養手当・住居手当・通勤手当は含まれていません。

これらはいずれもモデルケースであり、全国の警察官の平均年収でも、採用された人全員の保証額でもありません。受験時は必ず公式の最新表示を確認してください。

  • 警視庁Ⅰ類:初任給321,900円/実務2年目年収6,574,400円
  • 警視庁Ⅲ類:初任給279,400円/実務2年目年収6,045,700円
  • 警察庁 本庁係長級(大卒4年目):年収約650万円(諸手当一部含まず)
  • いずれも個人の経歴・勤務条件で変動する参考値

手当・賞与・退職金の考え方

警察官の給与は、一般職の職員の給与に関する法律などに基づき支給されます。基本給に加えて、扶養手当・住居手当・通勤手当・超過勤務手当・期末勤勉手当(ボーナス)・単身赴任手当などが要件に応じて支給されます。

期末・勤勉手当は6月と12月の年2回が基本で、在職期間と勤務成績に応じて決まります。警視庁は年間おおむね4.90か月分と案内していますが、「月収すべて×4.90か月」ではなく、支給額は算定基礎と個々の条件で決まる点に注意が必要です。

退職金については、勤続25年以上の定年退職手当の平均が約2,221万円とする整理もありますが、退職時の給料月額・勤続年数・昇任状況で大きく変わります。

  • 諸手当:扶養・住居・通勤・超過勤務・単身赴任など
  • 期末・勤勉手当:年2回支給、勤務成績に応じて変動
  • 退職手当:勤続25年以上の定年退職で平均約2,221万円との整理あり
  • 手当は要件を満たす場合に支給され、一律ではない

一般労働者の年収と比べたときの位置づけ

参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年・一般労働者)では、男女計の所定内給与が340.6千円で年収換算の参考値は約490万円、大学卒は396.3千円で約570万円、高校卒は297.2千円で約420万円と整理されています。

警察官の試算約779万円はこれより高い水準ですが、時間外勤務手当を含み、平均年齢39.4歳・管理職を含む数字である点を踏まえて比較する必要があります。単純な順位づけには向きません。

  • 一般労働者・男女計(2025年):月額340.6千円/年収換算約490万円
  • 大学卒:月額396.3千円/年収換算約570万円
  • 高校卒:月額297.2千円/年収換算約420万円
  • 警察職の試算は手当・賞与・年齢構成の違いを含む点に注意

年収を調べるときの注意点

ネット上の「警察官の平均年収は約○○万円」という表現には、元にした調査年度や賞与・手当の扱いが異なるケースが多くあります。手当を含む平均給与月額を12倍し、さらに同じ月額全体へ賞与月数を掛けると、賞与の算定基礎が異なる手当まで上乗せするおそれがあります。

「年齢別」「男女別」「学歴別」の数字は、そのまま個人の将来年収を保証するものではありません。構成員の年齢や勤続年数、勤務・扶養条件も違うためです。採用先の最新の給与案内と、手当・職歴加算・昇任の条件を確かめたうえで進路を検討しましょう。

  • 「平均給与月額」か「年収」か、表題をまず確認する
  • モデル年収は保証額ではなく参考値
  • 統計の平均年齢・手当の扱いをそろえて比較する
  • 不明な点は採用先の公式情報で最終確認する

この記事のポイント

  • 警察官の年収は採用区分・学歴・勤務年数・勤務地・手当で変わる
  • 総務省の令和7年調査では平均給与月額494,513円・期末勤勉手当1,855,952円、試算は約779万円
  • 警視庁の実務2年目モデルはⅠ類657万4,400円・Ⅲ類604万5,700円(2026年1月現在)
  • 経験年数別の基本給は大卒1年未満257,614円から30年以上で427,628円へ上昇
  • 「全国平均700万円」は公式の平均年収ではなく、独自推計である点に注意

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