税率と年収の関係|課税所得・手取りの目安
年収と税率の基本|税率は「課税所得」にかかる
年収がそのまま税率の対象になるわけではありません。所得税は、年収から給与所得控除や社会保険料、基礎控除などを差し引いた「課税所得」に対して、5〜45%の累進税率で計算されます。
住民税は所得割が原則10%で、均等割が加わります。所得税には復興特別所得税として所得税額の2.1%が上乗せされます。
- 課税所得=年収−給与所得控除−社会保険料−各種所得控除
- 所得税率は課税所得が高いほど段階的に上がる
- 住民税は所得割約10%+均等割(自治体により異なる)
所得税率の目安|課税所得別の税率
課税所得に応じた所得税率の目安は次のとおりです。年収ではなく、控除後の課税所得で判定します。
国税庁の統計でも給与所得者は広い所得層に分布しており、多くの会社員は課税所得ベースで5〜20%の範囲に入りやすいです。nta.go.jp
- 課税所得195万円以下:5%
- 195万円超〜330万円以下:10%
- 330万円超〜695万円以下:20%
- 695万円超〜900万円以下:23%
- 900万円超〜1,800万円以下:33%
- 1,800万円超〜4,000万円以下:40%
- 4,000万円超:45%
年収別の税率イメージ|300万円〜1,000万円台
以下は独身・社会保険料や基礎控除のみを考慮した概算イメージです。実際の税率は家族構成、控除、自治体で変わります。
税率が上がっても、課税所得全体に最高税率がかかるわけではなく、区分ごとに段階的に課税されます。年収が増えれば手取りも増えるのが基本です。
- 年収300万円台:課税所得は100万円前後になりやすく、所得税5%+住民税10%のケースが多い
- 年収400万円台:課税所得150〜200万円台、所得税5〜10%程度
- 年収500万円台:課税所得200〜300万円台、所得税10%前後
- 年収600万円台:課税所得300〜400万円台、所得税20%に入るケース
- 年収700万円台:課税所得400〜500万円台、所得税20%程度
- 年収800万円台:課税所得500〜600万円台、所得税20〜23%程度
- 年収1,000万円台:課税所得600〜800万円台、所得税20〜33%程度
平均年収と税率の位置づけ
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の所定内給与は男女計340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円でした。年収換算では男女計約490万円、男性約540万円、女性約410万円が一つの目安です。mhlw.go.jp
平均的な年収帯では、所得税率は5〜20%程度、住民税10%を合わせた実効税率は10〜20%台になりやすいです。ただし社会保険料の影響が大きく、額面と手取りは別で考えます。
- 高校卒:月297.2千円・年収約420万円
- 大学卒:月396.3千円・年収約570万円
- 電気・ガス・熱供給・水道:年収約640万円
- 学術研究・専門・技術サービス:年収約635万円
- 金融・保険:年収約630万円
- 情報通信:年収約585万円
- 製造業:年収約475万円
手取りを左右する社会保険料と控除
年収から引かれるのは税金だけではありません。健康保険、厚生年金、雇用保険などの社会保険料は、年収500万円前後で70〜80万円程度が目安になることがあります。
- 社会保険料は所得控除の対象で、課税所得を下げる
- 住民税は前年の所得に基づいて翌年課税される
- iDeCo、ふるさと納税、生命保険料控除などで課税所得を調整できる
- 税率だけでなく、手取り額と将来の年金・保障も含めて判断する
税率を意識した年収・転職の考え方
転職や昇給を検討するときは、額面年収だけでなく、課税所得、社会保険料、手取り、自治体の住民税を確認しましょう。税率が一段上がる年収帯では、控除制度を活用すると手取り改善につながる場合があります。
- 年収500万円前後:所得税10%前後、住民税10%が目安
- 年収700万円前後:所得税20%に入りやすい
- 年収900万円前後:所得税23%、住民税10%が目安
- 年収1,000万円超:所得税33%が一部にかかるケース
- 不明な点は国税庁・自治体・勤務先の源泉徴収票で確認
この記事のポイント
- 税率は年収ではなく課税所得にかかる
- 所得税は5〜45%の累進課税、住民税は約10%
- 平均年収は男女計約490万円、男性約540万円、女性約410万円が目安
- 年収300万円台は所得税5%+住民税10%が多い
- 年収600万円台以降は所得税20%に入りやすい
- 手取りは社会保険料と控除で大きく変わる