社長の年収は平均いくら?役員報酬の相場を統計で解説
社長の年収は平均いくら?結論は「会社規模で桁が変わる」
「社長 年収」で調べると、数千万円という数字と数百万円という数字が混在していて混乱しがちです。理由はシンプルで、統計の母集団が違うためです。上場企業の社長を集計したデータでは年収4554万円前後、国税庁の民間給与実態統計で資本金2000万円未満の会社の役員(社長だけでなく非常勤や家族役員も含む)を見ると平均698万円・中央値538万円となっています。
つまり、大企業のトップは4000万円台、中小企業のオーナー社長は数百万円〜1000万円台が中心、というのが実態に近い姿です。以下では規模別・資本金別に数字を整理します。
- 上場企業クラスの社長:年収4000万円台(平均4554万円)
- 中小企業の役員全体:平均698万円・中央値538万円(資本金2000万円未満)
- 資本金1億円以上の役員:平均1619万円・中央値1226万円
- 一般労働者(男女計)の平均:約490万円
大企業の社長・役員の年収一覧(会長・社長・副社長・専務・常務・取締役)
産労総合研究所「役員の報酬等に関する実態調査」をもとにした集計では、役職ごとの年収に明確な序列があります。会長4790万円、社長4554万円、副社長3644万円、専務3139万円、常務2341万円、取締役1837万円という水準です(nenshuu.net)。
社長の平均年齢は60.6歳、月額318万円・賞与738万円という構成で、賞与の比重が非常に大きいのが特徴です。基本給を抑え、業績に連動した賞与で報酬を決めるケースが多いとされています。
- 会長:4790万円(平均年齢68.8歳)
- 社長:4554万円(平均年齢60.6歳)
- 副社長:3644万円
- 専務:3139万円
- 常務:2341万円
- 取締役:1837万円
中小企業の社長(役員報酬)の平均と中央値
国税庁「民間給与実態統計調査」は、資本金規模別に株式会社の役員給与を集計しています。資本金2000万円未満では約155万人の役員が対象で、平均698万円・中央値538万円です(progo-tax.com)。
平均と中央値の差が大きい点は重要です。平均は一部の高額役員に引っ張られるため、「真ん中の社長」に近いのは中央値の538万円です。統計上は、資本金2000万円未満の役員の半分が538万円以下ということになります。女性役員に限ると中央値335万円・平均454万円で、配偶者役員が多く含まれる影響が出ています。
- 資本金2000万円未満:中央値538万円/平均698万円
- 資本金2000万〜5000万円未満:中央値719万円/平均959万円
- 資本金5000万〜1億円未満:中央値954万円/平均1257万円
- 資本金1億円以上:中央値1226万円/平均1619万円
業種別・規模別の役員報酬相場
財務省「法人企業統計調査(2024年度)」を役員1人あたりに換算した業種別の平均は、資本金1000万円未満の小規模企業ではおおむね260万〜620万円、資本金2000万〜5000万円未満では500万〜870万円のレンジに収まります(progo-tax.com)。
同業他社と比べたいときは、この業種別・資本金別の表が実用的です。ただし法人企業統計の役員数には非常勤役員も含まれるため、平均額は実勢よりやや低めに出る傾向があります。
- 建設業:476万円(資本金1000万円未満)〜761万円(2000万〜5000万円未満)
- 製造業:495万円〜865万円
- 情報通信業:379万円〜831万円
- 卸売業:403万円〜863万円
- 宿泊業:278万円〜628万円
- 全産業(金融保険業を除く):416万円〜746万円
上場企業の平均年収と社長年収の位置づけ
帝国データバンクの調査では、2025年度決算の上場約3700社の平均年間給与は692.6万円(前年度比3.2%増)、中央値は661.6万円でした(tdb.co.jp)。上場企業の社員平均が700万円前後であることを踏まえると、社長の4554万円は社員平均の6〜10倍程度という計算になります。
国税庁の民間給与実態統計では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円、正社員(正職員)に限ると559万円です(nta.go.jp)。一般労働者と比較すると、大企業の社長は10倍前後、中小企業の社長は同水準〜2倍程度というイメージになります。
- 上場企業の平均年間給与:692.6万円(中央値661.6万円)
- 給与所得者全体の平均給与:487万円
- 正社員(正職員)の平均給与:559万円
- 東証プライム上場企業の平均:793.2万円
社長の年収を見るときの注意点(賞与・手取り・調査の違い)
第一に、公表されている金額はすべて額面(税・社会保険料控除前)です。年収4554万円の場合、所得税・住民税・社会保険料などを差し引いた手取りは額面の6割前後が一つの目安になりますが、役員は社会保険料の負担上限や役員賞与の損金不算入など制度上の扱いが一般社員と異なるため、実際の手取りは個別事情で大きく変わります。
第二に、社長の賞与は恒常的に支給されるとは限りません。調査では「支給あり」が41.6%、「業績等都合で不支給」が8.8%、「賞与はもともとない」が49.6%と、約半数は賞与なしという結果です(nenshuu.net)。年収の安定性は会社の業績に直結します。
第三に、統計の母集団の違いです。上場企業の役員報酬調査、国税庁の資本金別役員給与、財務省の法人企業統計では対象が異なるため、数字を横並びで比較すると誤解を生みます。自分の会社と近い規模・業種の数字を選んで参照してください。
- 公表値は額面ベース。手取りは額面の6割前後が目安だが個別差が大きい
- 社長の賞与は「支給あり」約41.6%、「賞与なし」約49.6%
- 統計ごとに母集団が異なるため単純比較は不可
- 役員報酬は会社の利益・資金繰り・職務内容で適正水準が変わる
この記事のポイント
- 大企業の社長年収は平均4554万円、会長4790万円と役職順に差がつく
- 中小企業の役員は平均698万円・中央値538万円(資本金2000万円未満)
- 資本金1億円以上では平均1619万円・中央値1226万円まで上がる
- 業種別では建設・製造・卸売が高め、宿泊・飲食は低めのレンジ
- 社長の賞与は約半数が「もともとない」ため年収は業績変動が大きい
- 公表値は額面。手取りは額面の6割前後が目安で、統計の母集団の違いにも注意