病欠中の給料はどうなる?年収への影響と傷病手当金を解説
病欠中の給料は法律上どう扱われる?
結論から言うと、日本の労働基準法には「私傷病による欠勤時に給料を支払わなければならない」という規定はありません。有給休暇を取得した場合は有給扱いになりますが、有給休暇を使い切ったあとの病欠は、就業規則の定めがなければ無給(ノーワーク・ノーペイ)が原則です。
一方で、多くの企業は就業規則で「病気休暇」や「傷病休暇」を設けており、一定日数は有給とするケースもあります。まずは自社の就業規則と、健康保険の傷病手当金の有無を確認することが重要です。
- 有給休暇:取得日数分は通常どおり給料が支払われる
- 有給休暇を使い切った後の病欠:就業規則がなければ無給が原則
- 会社独自の病気休暇:有給・無給・日数は企業ごとに異なる
- 健康保険の傷病手当金:要件を満たせば給料の約2/3を補填
傷病手当金はいくら支給される?
会社に健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入している場合、私傷病で連続して3日間休んだあと(待期期間)、4日目以降から傷病手当金が支給されます。支給額は「標準報酬日額の3分の2」で、支給期間は最長1年6か月です。
標準報酬日額はおおむね月給を30で割った金額に近いため、月給34万円前後の人であれば1日あたり約7,500円前後、1か月(30日)で約22万〜23万円が目安になります。つまり満額の給料と比べると、月あたり10万円前後の減収になる計算です。
- 待期期間:連続3日間は支給対象外
- 支給額:標準報酬日額の3分の2
- 支給期間:最長1年6か月
- 申請先:加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合)
病欠で年収はどのくらい減る?万円レンジで試算
厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(男女計)の所定内給与は月額34万600円で、年収換算では約490万円が一つの目安です。この水準の人が病欠した場合の減収イメージを整理します。
1か月を無給で休むと、単純計算で年収は約490万円から約456万円へ、およそ34万円の減収です。傷病手当金で2/3が補填されれば減収は約11万〜12万円程度に抑えられます。3か月無給で休んだ場合は約100万円前後、半年では約200万円前後の減収となり、年収レンジが1段階以上下がる可能性があります。
ただし傷病手当金には待期3日があり、賞与は通常支給対象外です。賞与込みの年収では、実際の落ち込みがさらに大きくなる点に注意してください。
- 1か月無給:年収約490万円 → 約456万円(▲約34万円)
- 1か月傷病手当金あり:減収は約11万〜12万円程度
- 3か月無給:減収は約100万円前後
- 半年無給:減収は約200万円前後、年収レンジが大きく下がる
会社独自の病気休暇・復職制度も確認しよう
大企業を中心に、法定の年次有給休暇とは別に「病気休暇」を設けている企業があります。有給の病気休暇が5日〜20日程度付与される例や、無給でも傷病手当金と組み合わせて休める制度を用意している例など、内容はさまざまです。
また、休職期間中の給料は「無給」または「給料の一部支給」となることが多く、復職時の待遇がどうなるかも確認しておきたいポイントです。就業規則・賃金規程・健康保険の規約をあわせてチェックしましょう。
- 有給の病気休暇:5日〜20日程度を付与する企業もある
- 休職期間中:無給または一部支給が一般的
- 復職後の給料・役職:元に戻るか、条件が変わるかを確認
- 確認先:就業規則、賃金規程、健康保険の規約
病欠と年収に関する注意点
病欠中の給料や傷病手当金の扱いは、勤務先の制度と加入している健康保険によって異なります。本記事の金額はあくまで平均値をもとにした概算であり、実際の支給額を保証するものではありません。
また、傷病手当金は「仕事ができず療養が必要」と医師が判断した場合に支給されるもので、単に休みたいだけでは対象になりません。制度の詳細や申請手続きは、勤務先の人事担当や加入先の健康保険に確認してください。
- 支給額・条件は勤務先と健康保険によって異なる
- 本記事の金額は平均値ベースの概算であり保証ではない
- 傷病手当金には医師の証明と申請手続きが必要
- 不明点は人事担当・健康保険へ直接確認する
この記事のポイント
- 私傷病による病欠は、有給休暇を使い切ると無給が原則
- 健康保険の傷病手当金は待期3日後から標準報酬日額の2/3を最長1年6か月支給
- 平均年収約490万円の人が1か月無給で休むと約34万円の減収
- 傷病手当金があれば1か月の減収は約11万〜12万円程度に抑制可能
- 会社独自の病気休暇や休職制度の有無を就業規則で確認することが重要