所得税 年収別の早見表|税率の仕組みと手取りの目安
所得税は「超過累進課税」|年収が上がっても全部に高税率はかからない
所得税は、個人が1年間(1月1日〜12月31日)に得た所得に対して課される国税です。課税所得が大きくなるほど税率が段階的に高くなる「超過累進課税」を採用しており、税率は5%から45%までの7段階に区分されています(nta.go.jp)。
重要なのは、年収全体に高い税率がかかるわけではない点です。たとえば課税所得が500万円の場合、195万円までに5%、195万円超〜330万円までに10%、330万円超〜500万円までに20%というように、段階ごとに税率が適用されます。そのため「税率が上がると手取りが逆転して損をする」ということは基本的にありません(calclife.net)。
- 課税所得195万円以下:5%(控除額0円)
- 195万円超〜330万円以下:10%(控除額9万7,500円)
- 330万円超〜695万円以下:20%(控除額42万7,500円)
- 695万円超〜900万円以下:23%(控除額63万6,000円)
- 900万円超〜1,800万円以下:33%(控除額153万6,000円)
- 1,800万円超〜4,000万円以下:40%(控除額279万6,000円)
- 4,000万円超:45%(控除額479万6,000円)
年収別の所得税額の早見表(独身・扶養なしの概算)
下表は、独身(扶養なし)の給与所得者を前提に、社会保険料を年収の約14.5%として概算した所得税額(復興特別所得税2.1%を含む)の目安です。実際の税額は所得控除の有無で大きく変わるため、あくまで参考値としてご覧ください(calclife.net)。
年収200万円台では所得税は数万円程度ですが、課税所得が330万円を超えるあたりから税率が20%になり、年収600万〜700万円では負担額が一段と増える傾向があります。年収1,000万円を超えると所得税だけで年80万円台に達するケースもあります。
- 年収200万円:給与所得控除68万円/課税所得約35万円/所得税 約1.8万円
- 年収300万円:給与所得控除98万円/課税所得約91万円/所得税 約4.6万円
- 年収400万円:給与所得控除124万円/課税所得約150万円/所得税 約7.7万円
- 年収500万円:給与所得控除144万円/課税所得約216万円/所得税 約10.7万円
- 年収600万円:給与所得控除164万円/課税所得約281万円/所得税 約18.4万円
- 年収700万円:給与所得控除180万円/課税所得約350万円/所得税 約31.5万円
- 年収800万円:給与所得控除190万円/課税所得約424万円/所得税 約46.5万円
- 年収900万円:給与所得控除195万円/課税所得約504万円/所得税 約62.9万円
- 年収1,000万円:給与所得控除195万円/課税所得約612万円/所得税 約84.1万円
- 年収1,200万円:課税所得約787万円/所得税 約118.5万円
- 年収1,500万円:課税所得約1,040万円/所得税 約180.4万円
所得税額は「課税所得」で決まる|年収からの計算手順
所得税は年収(額面)に直接かかるのではなく、年収から各種控除を差し引いた「課税所得」に対してかかります。源泉徴収票の「支払金額」が年収にあたり、まず給与所得控除を差し引いて給与所得を求めます(calclife.net)。
給与所得控除は収入金額に応じて自動的に決まる、いわば給与所得者の必要経費に相当するものです。2026年改正では最低額が55万円から65万円に引き上げられ、年収100万〜150万円台の控除額が10万円増えました。年収200万円以上では大きく変わらないとされています(calclife.net)。
- 手順1:1年間の給与収入(額面年収)を確認する
- 手順2:給与所得=収入金額 − 給与所得控除
- 手順3:課税所得=給与所得 − 所得控除(基礎控除・社会保険料控除・生命保険料控除など)
- 手順4:所得税額=課税所得 × 税率 − 控除額
- 手順5:所得税額に復興特別所得税(2.1%)を加算する
- 手順6:住宅ローン控除やふるさと納税などの税額控除を差し引く
- 手順7:源泉徴収税額との差額を年末調整・確定申告で精算する
年収500万円前後は日本の平均ゾーン|統計で見る位置づけ
国税庁の民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円(男性597万円、女性342万円)です。給与階級別では「300万円超400万円以下」が799万人(15.5%)で最も多く、次いで「400万円超500万円以下」が792万人(15.3%)となっています(nta.go.jp)。
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与は男女計34万600円(前年比3.1%増)で、単純に12か月換算すると約408万円、賞与を含めると年収500万円前後が一つの目安になります(mhlw.go.jp)。
つまり年収400万〜500万円台は所得税の面でも日本の中央付近に位置し、税率は課税所得に応じて10〜20%のレンジに入りやすいゾーンといえます。
- 平均給与(1年勤続・男女計):487万円(国税庁 民間給与実態統計調査)
- 男性平均給与:597万円/女性平均給与:342万円
- 最も多い給与階級:300万円超400万円以下(構成比15.5%)
- 一般労働者の所定内給与(月額・男女計):34万600円(厚労省)
- 男女間賃金格差(男性=100):76.6(比較可能な1976年以降で最も縮小)
業種・学歴でも変わる年収と税負担の目安
同じ年収帯でも、業種や学歴によって分布は大きく異なります。国税庁の統計では、業種別の平均給与が最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の854万円、次いで「金融業,保険業」の726万円で、最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の276万円でした(nta.go.jp)。
年収帯の分布も業種で偏りがあります。電気・ガス・熱供給・水道業では年収800万円超が47.2%を占める一方、宿泊業・飲食サービス業では年収100万円以下が27.9%を占めます。所得税は課税所得に応じて決まるため、高年収層が多い業種ほど税率も高くなりやすい構造です。
- 電気・ガス・熱供給・水道:平均854万円(800万円超が47.2%)
- 金融・保険:平均726万円(800万円超が31.7%)
- 情報通信:平均給与は高めだが職種・スキル差が大きい
- 宿泊・飲食サービス:平均276万円(100万円以下が27.9%)
- 高卒の年収目安:約420万円/大学卒の年収目安:約570万円(厚労省調査を年収換算)
所得税を考えるときの注意点|住民税・社会保険料は別
ここで示した金額は所得税(復興特別所得税を含む)のみです。実際の手取りを考える場合は、住民税(所得割10%+均等割)や社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)も差し引く必要があります。社会保険料は年収のおよそ14〜15%が目安とされます。
また、超过累進課税はあくまで課税所得に対して適用されます。配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除・住宅ローン控除などを適用すると課税所得が下がり、税額はさらに少なくなります。実際の税額は人によって異なるため、源泉徴収票や確定申告書、国税庁の速算表で個別に確認することをおすすめします(nta.go.jp)。
- 所得税=課税所得×税率−控除額(復興特別所得税2.1%を加算)
- 住民税は所得割10%+均等割が別途かかる
- 社会保険料は年収の約14〜15%が目安
- 各種所得控除・税額控除で課税所得と税額は変わる
- 正確な金額は源泉徴収票や確定申告で確認する