年金手取り額の早見表|額面別の控除と年収の関係

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年金の「額面」と「手取り」はなぜ違うのか

公的年金は、受け取るときに所得税(および復興特別所得税)と住民税の対象になり、さらに国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料などの社会保険料が差し引かれます。そのため、ねんきん定期便や年金振込通知書に記載された「額面」の金額が、そのまま口座に振り込まれるわけではありません。

差し引かれる金額は、年齢(65歳未満か65歳以上か)、住んでいる自治体、家族構成(世帯主か、扶養している家族がいるか)などで大きく変わります。全国一律の「正式な早見表」は存在せず、本記事で示す表は公的統計と一般的な制度をもとにした概算の目安です。

年金手取り額の早見表(65歳以上・単身の概算)

以下は、65歳以上で公的年金だけを受け取っている単身世帯を想定した、年間の年金額面(老齢基礎年金+老齢厚生年金)と手取り額の目安です。税金の非課税ラインや社会保険料の所得割を踏まえた概算レンジで、実際の金額は自治体の料率により変動します。

  • 額面 約80万円(国民年金のみ・満額相当)…手取り 約75万〜80万円。課税所得が生じにくく、所得税はかからないケースが多い
  • 額面 約120万円…手取り 約100万〜118万円。所得税は非課税のことが多く、住民税と国保・後期高齢者医療保険料が中心
  • 額面 約160万円…手取り 約135万〜155万円。住民税が課税され始める世帯が増える
  • 額面 約200万円…手取り 約168万〜188万円。差し引かれる割合はおおむね10〜15%前後
  • 額面 約250万円…手取り 約205万〜225万円。差し引かれる割合は15%前後
  • 額面 約300万円…手取り 約240万〜265万円。差し引かれる割合は15〜20%程度

何がいくら引かれる?控除の内訳

天引きされる主な項目は税金と社会保険料の2種類です。税金は国のルールである程度全国共通ですが、社会保険料は自治体ごとの料率で決まるため、同じ年金額でも住んでいる場所で手取りが変わります。

  • 所得税:公的年金等控除と基礎控除などを差し引いた課税所得に対して課税。65歳以上で年金収入が約158万円以下なら、所得税がかからないケースが多い
  • 住民税:自治体の非課税限度額を超えると課税。所得割と均等割があり、均等割だけでも年数千円の負担が生じることがある
  • 国民健康保険料:前年の所得に応じて決まる。所得割・均等割・平等割があり、自治体差が非常に大きい
  • 後期高齢者医療保険料:75歳以上が加入。所得割と均等割で構成され、原則として年金から天引きされる
  • 介護保険料:65歳以上の保険料は原則として年金から天引き。所得や自治体によって段階が分かれる

現役時代の年収と年金額の関係

老齢厚生年金の報酬比例部分は、現役時代の給与や賞与(標準報酬月額・標準賞与額)と加入期間に応じて決まります。つまり、現役時代の年収が高いほど年金額面も大きくなりやすい一方で、その分だけ税金や社会保険料も増え、手取りの減少率も大きくなる傾向があります。

参考として、厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の所定内給与は男女計で月34万600円(前年比3.1%増)、男性37万3,400円、女性28万5,900円でした。mhlw.go.jp

  • 男女計:月34.06万円(年収換算で約490万円レンジ)
  • 男性:月37.34万円(同 約540万円レンジ)
  • 女性:月28.59万円(同 約410万円レンジ)
  • 学歴別では、大学卒が月39.63万円、高校卒が月29.72万円(mhlw.go.jp)

早見表を使うときの注意点

インターネット上にはさまざまな年金手取りの早見表が出回っていますが、その多くは「単身・65歳以上・自治体平均」などの前提を置いた概算です。自分の条件にそのまま当てはまるとは限らない点に注意してください。

  • 自治体によって国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の料率が大きく異なる
  • 世帯構成(単身・夫婦・扶養の有無)で保険料の負担額が変わる
  • 65歳未満か65歳以上かで控除額や天引きの仕組みが変わる
  • 繰上げ受給・繰下げ受給を選ぶと額面自体が変動する
  • 年金以外の所得(賃金、事業所得、配当など)があると課税・保険料が増える

この記事のポイント

  • 年金の手取りは額面から所得税・住民税・社会保険料を差し引いた金額で、自治体差が大きい
  • 額面200万円前後で手取りはおおむね170万〜190万円、300万円前後で240万〜265万円が一つの目安
  • 65歳以上で年金収入が約158万円以下なら、所得税はかからないケースが多い
  • 国民健康保険・後期高齢者医療保険料は所得に応じて変わるため、必ず自治体の料率で確認する
  • 現役年収が高いほど年金も増えやすいが、控除も増えるため手取りは単純比例しない

参考情報

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