平均年収がおかしいと感じる理由|2025年データで中央値とズレを解説

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「平均年収がおかしい」と感じる正体は平均値と中央値のズレ

平均年収の話題で違和感を覚える最大の理由は、公表されている数字が「平均値」であり、自分の実感に近い「中央値」ではない点です。厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査では、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与は男女計340.6千円、中央値は296.6千円でした。平均のほうが中央より4万円以上高い状態です。

つまり「平均年収は高いのに、周りはそこまで稼いでいない」という感覚は珍しいことではありません。一部の高収入層が平均を引き上げているためで、平均値と中央値の差は所得分布の偏りを示しています。

  • 平均値:340.6千円(所定内給与・男女計)
  • 中央値:296.6千円(同)
  • 第1四分位数:238.2千円/第3四分位数:389.8千円
  • 第1十分位数:199.9千円/第9十分位数:527.3千円

平均年収の「円」と「手取り」は別物

統計の平均年収は税金や社会保険料を引く前の額です。そのため、手取り額と比べると2割前後少なく見えます。年収500万円前後でも、手取りはおおよそ380万〜400万円程度になることが多く、毎月の感覚とはズレて当然です。

また賃金構造基本統計調査の「所定内給与」は、残業代(超過労働給与)を含まない6月分の支給額です。年収換算するには賞与や残業代を足す必要があり、単純に12倍しただけでは実態と合いません。

  • 所定内給与は残業代・深夜手当などを除いた額
  • 年収は「所定内給与×12+賞与+残業代」の概算になる
  • 社会保険料・税金を引いた後の手取りは目安として約8割前後

統計の平均値が実感とズレる4つの理由

日本の公的統計は、全労働者の全額を集計しているわけではありません。調査の対象範囲や回答状況によって、どうしても実感との差が生まれます。

さらに年齢や雇用形態が混ざった「全体平均」であることも見落とされがちです。20代と50代、正社員と非正規をまとめた数字は、特定の誰かの年収を表すものではありません。

  • 10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所のみを集計(小規模事業所や個人事業は対象外)
  • 有効回答率は75.4%で、未回答事業所の分は反映されない
  • 平均値は高収入層の影響を受けやすく、中央値より上振れする
  • 正社員・正職員358.8千円に対し、それ以外は241.7千円と雇用形態で大きな差

2025年の年収目安を万円レンジで整理

厚労省の所定内給与をもとに賞与を含めた年収の参考レンジを整理すると、男女計でおよそ450万〜540万円、男性でおよそ500万〜580万円、女性でおよそ380万〜440万円あたりが目安になります。ただしこれは平均値ベースの概算であり、実際の分布はもっと広いです。

学歴別では高校卒でおよそ390万〜450万円、大学卒でおよそ530万〜610万円が目安レンジです。あくまで平均的な参考値で、業種・地域・職種で大きく変わります。

  • 男女計(一般労働者):約450万〜540万円
  • 男性:約500万〜580万円/女性:約380万〜440万円
  • 高校卒:約390万〜450万円/大学卒:約530万〜610万円
  • 産業別の高水準帯:電気・ガス・熱供給・水道(所定内444.0千円)で年収600万円台も視野
  • 産業別の低水準帯:宿泊業・飲食サービス業(所定内277.2千円)で年収350万〜420万円台

「おかしい」と感じたら自分の位置を確認する

平均年収を自分の年収と直接比べても、意味はあまりありません。比較するなら、同じ年代・同じ雇用形態・同じ業種の数字を見るほうが実態に近づきます。

たとえば男女計の賃金は55〜59歳の男性で445.6千円がピークとなる一方、女性は45〜49歳と55〜59歳で305.7千円が最も高く、上昇カーブが緩やかです。年齢と性別をそろえないと、平均の意味が変わってきます。

  • 年代・雇用形態・業種をそろえて比較する
  • 勤続年数別では30年以上が444.2千円で最も高い
  • 男女間賃金格差は76.6(男=100)で、比較可能な1976年以降で最も縮小
  • 転職を考える場合は、応募職種のレンジと自分の市場価値を確認する

数字を疑うより「どの平均か」を確認する

平均年収がおかしいと感じるのは、統計が間違っているからではなく、見ている数字の定義が自分の状況と一致していないからです。平均値か中央値か、所定内給与か税込年収か、対象は正社員だけか非正規も含むかを確認するだけで、印象はかなり変わります。

出典の調査概要や用語の定義まで確認するのが、年収情報を正しく読む近道です。

  • 平均値と中央値のどちらを見ているかを確認する
  • 額面か手取りかを確認する
  • 調査対象(事業所規模・雇用形態・年齢)を確認する
  • 出典の発行年と調査年を確認する

この記事のポイント

  • 2025年の一般労働者の所定内給与は平均340.6千円、中央値296.6千円で平均のほうが高い
  • 「おかしい」と感じる主因は、平均値の上振れ・手取りとの差・調査対象の偏り
  • 年収目安は男女計で約450万〜540万円、大学卒で約530万〜610万円のレンジ
  • 比較するときは年代・雇用形態・業種をそろえる
  • 額面と手取り、平均値と中央値を分けて読むことが重要

参考情報

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