地方公務員の年収はいくら?平均・手取り・年齢別の目安を解説
地方公務員の年収が「ひとつの数字」で語れない理由
地方公務員の給与は、国家公務員の給与や人事院勧告、地域の民間賃金水準を踏まえたうえで、各自治体の条例で細かく定められます。そのため「地方公務員全体の平均年収は◯◯万円」と一律に示す公的統計は存在せず、職種・役職・年齢・勤続年数・自治体規模によって金額はかなり幅が出ます。
今回の検索では、地方公務員給与だけを集計した統計(総務省の地方公務員給与実態調査など)は確認できませんでした。そこで本記事では、比較的公表されている賃金統計を参考値として示しつつ、地方公務員の年収の目安レンジを整理します。断定的な金額ではなく、あくまで「目安」としてご覧ください。
- 地方公務員の給与は各自治体の条例・規則で決定される
- 同じ「地方公務員」でも行政職・技術職・消防・教員などで給料表が異なる
- 人口規模の大きい自治体ほど給与水準が高めになりやすい傾向がある
参考:一般労働者の賃金から見た年収の目安
厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査では、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与(月額)は男女計で340,600円、男性373,400円、女性285,900円とされています(前年比3.1%増)。月額を12か月に換算すると約409万円ですが、実際には賞与・期末手当が加わるため、年収の目安は概ね490万円前後と整理されることが多い水準です(mhlw.go.jp)。
学歴別では高校卒297,200円、大学卒396,300円、都道府県別では東京都が418,300円で最も高く、全国計を上回るのは東京都・神奈川県・愛知県・大阪府の4都府県にとどまります(mhlw.go.jp)。地方公務員の給与もこの地域差の影響を受けやすく、都市部の自治体ほど水準が高くなる傾向があります。
なお、この調査は主に民営事業所(10人以上の公営事業所を含む)を対象としたもので、地方公務員の年収を直接示す数字ではない点に注意が必要です。
- 一般労働者・男女計の所定内給与は月340,600円(2025年)
- 単純な12か月換算で約409万円、賞与込みの年収目安は約490万円前後
- 大学卒は月396,300円(年収目安 約570万円前後)
- 高校卒は月297,200円(年収目安 約420万円前後)
地方公務員の年収の目安レンジ(年齢・職位別の推計)
地方公務員の給与は、行政職俸給表(一)のような給料表に基づき、級・号俸で決まります。実際の年収は地域手当・住居手当・通勤手当・扶養手当などの諸手当と、期末・勤勉手当(ボーナス、年間で給与月額の約4.4〜4.6か月分程度が目安)を合算したものになります。以下は公表資料の傾向を踏まえたおおよその目安で、自治体差や職種差が大きい点はご留意ください。
あくまで推計値であり、同じ年齢でも自治体・役職・家庭状況で数十万円単位の差が出ます。正確な金額は各自治体の給与条例や採用案内、給与支給状況の公表資料で確認するのが確実です。
- 20代前半(大卒・一般行政職):年収 約350万〜450万円程度
- 20代後半〜30代前半:年収 約400万〜550万円程度
- 30代後半〜40代(係長・課長補佐級):年収 約500万〜700万円程度
- 40代後半〜50代(課長・部長級):年収 約700万〜900万円台
- 消防・警察・教員などは手当が上乗せされ、同年代より高めになりやすい
国家公務員・民間企業との比較で見るポイント
地方公務員の給与は、国家公務員の給与と地域の民間賃金を比較して決められることが多く、極端に高い・低い水準にはなりにくい仕組みです。民間では業種による差が大きいのに対し、公務員は職種間の差が比較的小さいのが特徴です。
産業別の賃金を見ると、電気・ガス・熱供給・水道業が444,000円、学術研究・専門・技術サービス業が440,300円と高く、宿泊業・飲食サービス業は277,200円で最も低くなっています(mhlw.go.jp)。民間の高賃金業種と比べると、公務員の年収は「安定しているが突出はしにくい」という位置づけになりやすいといえます。
- 公務員は民間の高賃金業種(電気・ガス、金融、専門サービス等)より低めになりやすい
- 一方で雇用の安定性・退職金・福利厚生は民間と異なる強み
- 地域手当の有無で同じ職位でも年収に差が出る
手取りの目安と控除の考え方
年収(額面)から手取りを計算する場合、所得税・住民税・社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)などが差し引かれます。一般的には額面のおよそ75〜80%が手取りの目安といわれ、年収500万円であれば手取りはおよそ380万〜400万円前後、年収600万円であればおよそ450万〜480万円前後が目安になります。
地方公務員は共済組合に加入するため、健康保険や年金の制度が民間と一部異なります。また住民税は前年の所得に応じて決まるため、昇給した翌年に手取りが減ったように感じることもあります。
- 手取りは額面の約75〜80%が目安
- 年収500万円 → 手取り 約380万〜400万円前後
- 年収600万円 → 手取り 約450万〜480万円前後
- 自治体・扶養人数・各種控除で実際の手取りは変動する
昇給・ボーナス・退職金まで含めた「総合的な待遇」で見る
地方公務員の年収を考えるときは、毎月の給与だけでなく、期末・勤勉手当(ボーナス)、退職手当、共済制度まで含めて評価するのが実態に近い見方です。ボーナスは年間で給与月額の4か月台が目安とされることが多く、景気による変動が小さい点が民間との違いです。
退職手当は勤続年数や退職理由によって計算方法が異なり、自己都合か定年退職かでも差が出ます。また、令和5年以降は国家公務員の定年延長に合わせて地方公務員でも段階的な定年延長が進んでおり、長く働くほど総収入は増える傾向があります。
- ボーナスは年間で給与月額の約4か月台が目安
- 退職手当は勤続年数・退職理由で金額が大きく変わる
- 定年延長により、生涯収入は長期化する方向
- 単年の年収だけでなく生涯ベースで比較するのがおすすめ
この記事のポイント
地方公務員の年収は自治体・職種・役職で大きく異なり、一律の平均値は存在しません。本記事の金額は公的統計を参考にした目安であり、正確な額は各自治体の公表資料でご確認ください。
- 地方公務員の年収を直接示す公的統計は今回の検索では確認できなかった
- 参考となる一般労働者の所定内給与は月340,600円・年収目安約490万円前後
- 地方公務員の年収はおおむね350万〜900万円台のレンジで語られることが多い
- 手取りは額面の約75〜80%が目安
- 自治体差・職種差が大きいため、必ず各自治体の公表資料で確認する