博報堂の年収は1092万円?持株会社174人の平均と現場の実態
博報堂の年収|まず結論
博報堂の年収を調べると「平均1,092万円」という数字がよく出てきます。ただしこれは、上場している博報堂DYホールディングスの有価証券報告書に記載された持株会社単体の平均年収です。対象は174人で、実際に多くの人が働く傘下の株式会社博報堂は非上場のため、単体の平均年収は開示されていません。
一方で、現場の実感に近い数字として、30歳時点の年収相場は約993万円、口コミサイトベースでは1,030万〜1,072万円前後という調査もあります。持株会社の数字が41.4歳の平均であることを踏まえると、年齢差を考えて極端に矛盾する水準ではない、という見方ができます。
- 博報堂DYホールディングス(有報・2025年3月期):平均年収1,092万円/平均年齢41.4歳/対象174人
- 現場の30歳時点の相場:約993万円
- エン・カイシャの評判ベース:1,030万円(平均年齢37歳)
- OpenWorkベース:1,072万円(平均年齢32.6歳・450名)
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の平均給与:478万円
平均1,092万円は「持株会社174人」の数字
博報堂DYホールディングスは、博報堂・大広・読売広告社・Hakuhodo DY ONE・博報堂テクノロジーズといった事業会社を束ねる持株会社です。有価証券報告書に載る平均年収1,092万円・平均年齢41.4歳・平均勤続12.8年(2025年3月期)は、この持株会社に在籍する174人の平均であり、グループ連結の従業員約2.9万人からするとごく一部の数字です。
持株会社は役員や管理職の比率が高くなりやすく、事業会社の平均より高く出る傾向があります。そのため「博報堂の年収=1,092万円」と単純に受け取るのではなく、母集団の違いを意識して読むことが重要です。
- 有報の対象は174人のみで、グループ全体の管理機能を担う少数社員の平均
- 実際に多くの人が入社するのは非上場の株式会社博報堂で、単体年収は非開示
- 持株会社は役員・管理職比率が高く、数字が高めに出やすい
- とはいえ持株会社1,092万円(41.4歳)と現場30歳相場993万円は、年齢差を考慮すれば大きくは矛盾しない
有価証券報告書ベースの年収推移
持株会社の平均年収は、直近数年はおおむね1,000万円台で推移しています。2024年3月期にピークをつけ、2025年3月期は減少に転じました。母集団が174人と小さいため、賞与や社員構成の変化で数十万円単位の振れが出やすい点には注意が必要です。
<table><thead><tr><th>年度</th><th>平均年収</th><th>平均年齢</th></tr></thead><tbody><tr><td>2025年3月期</td><td>1,092万円</td><td>41.4歳</td></tr><tr><td>2024年3月期</td><td>1,157万円</td><td>41.3歳</td></tr><tr><td>2023年3月期</td><td>1,092万円</td><td>41.4歳</td></tr><tr><td>2022年3月期</td><td>1,036万円</td><td>42.1歳</td></tr></tbody></table>
出典元によって2024年3月期を1,157万円とする表と1,158万円とする表が混在しています。いずれにしても3年連続で1,000万円超を維持している点が大枠の傾向です。
- 2024年3月期に約1,157万円まで上昇し、2025年3月期は1,092万円に減少
- 2023年3月期と2025年3月期が同じ1,092万円・41.4歳で並んでいる点は珍しい偶然
- 平均勤続年数は2025年3月期で12.8年
年代別の年収レンジ(現場の推定)
実際の現場社員の年収は、年代と役割によって大きく変わります。以下は各種調査をもとにした推定レンジで、あくまで目安です。入社後3年ほどは時間制労働で残業代が支給されるため実収入が高めに出やすく、4年目に裁量労働制へ移行すると一時的に下がるケースがあるとされています。
<table><thead><tr><th>年代</th><th>推定年収レンジ</th><th>特徴</th></tr></thead><tbody><tr><td>20代前半(入社1〜3年)</td><td>380万〜550万円</td><td>残業代がつき、多い月は600万円台も</td></tr><tr><td>20代後半(入社4〜6年)</td><td>600万〜800万円</td><td>裁量労働制移行で一時的に下がる場合あり</td></tr><tr><td>30代前半(入社7〜9年)</td><td>900万〜1,200万円</td><td>30歳時点の相場は約993万円</td></tr><tr><td>30代後半(入社10〜14年)</td><td>1,200万〜1,600万円</td><td>ディレクター上位〜シニアクラス</td></tr><tr><td>40代(管理職クラス)</td><td>1,500万〜2,500万円</td><td>役職・評価で大きく分かれる</td></tr><tr><td>50代(役員・上位管理職)</td><td>1,200万〜3,000万円以上</td><td>役員報酬は非公開</td></tr></tbody></table>
参考として、広告代理店を含む「学術研究、専門・技術サービス業」の年齢別平均給与は、20〜24歳で308.6万円、30〜34歳で486.1万円、40〜44歳で593.9万円となっており、いずれも全業種平均を上回っています。
- 30歳時点の相場は約993万円で、1,000万円の大台が射程に入る
- 30代後半以降は評価格差が広がり、役職の有無で金額差が大きくなる
- 役員報酬は非公開のため、最上位層の実額は不明
職種別の年収(口コミ調査ベース)
職種別に見ると、プロデューサー職やクリエイティブ職が高めに位置します。ただし最大と最小の差は約167万円程度で、職種間の年収格差が比較的小さいのが特徴です。どの職種でも一定の高水準が保たれている点が、博報堂の報酬体系の特徴といえます。
- プロデューサー職:1,087万円
- クリエイティブ職:1,077万円
- マーケティング職:1,070万円
- 営業職:1,000万円
- プランナー職:951万円
- ストラテジックプランニング職:920万円
額面1,092万円・993万円の手取り目安
額面から手取りを計算すると、社会保険料や税金が差し引かれ、おおむね額面の7割前後が目安になります。ただし家族構成や各種控除の有無で変わるため、以下はあくまで概算です。
<table><thead><tr><th>額面年収</th><th>想定される立場</th><th>年間手取り目安</th><th>月あたり</th></tr></thead><tbody><tr><td>1,092万円</td><td>持株会社の平均(41.4歳)</td><td>約778万円</td><td>約64.8万円</td></tr><tr><td>993万円</td><td>現場の30歳相場</td><td>約719万円</td><td>約59.9万円</td></tr></tbody></table>
- 手取りは額面の約7割前後が目安
- 住宅ローン控除や扶養の有無で実際の手取りは変動する
- 残業代の有無(時間制/裁量労働制)も実収入に影響する
他社との比較と「42歳補正」の考え方
平均年収は平均年齢が違うため、額面をそのまま並べると実態を誤解しやすくなります。年齢を42歳に揃えて補正すると、サイバーエージェントとは順位が入れ替わるという試算もあります。
<table><thead><tr><th>企業</th><th>平均年収</th><th>平均年齢</th><th>42歳補正の目安</th></tr></thead><tbody><tr><td>電通グループ</td><td>約1,507〜1,520万円</td><td>44.0歳</td><td>約1,470万円</td></tr><tr><td>サイバーエージェント</td><td>913.8万円</td><td>33.8歳</td><td>約1,119万円</td></tr><tr><td>博報堂DYホールディングス</td><td>1,092万円</td><td>41.4歳</td><td>約1,107万円</td></tr></tbody></table>
また、東洋経済のCSR調査(2026年版)では、博報堂DYホールディングスの大卒総合職30歳平均賃金(月額)は60万7,569円で全体4位でした。30歳時点の月例賃金が60万円を超える企業は限られており、若手段階からの水準の高さがうかがえます。この数値には時間外勤務手当や賞与は含まれません。
- 額面では1,092万円でも、年齢を揃えると順位が変わり得る
- 電通グループとの差は額面428万円程度から補正後363万円程度へ縮まる
- 30歳平均賃金では月額60万7,569円で国内4位(東洋経済CSR調査2026年版)
業界平均・全国平均との比較
広告代理店が含まれる「学術研究、専門・技術サービス業」は、産業別でも高水準の区分です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)では所定内給与440,300円(年収換算約635万円)となっており、製造業(年収換算約475万円)や全産業平均(同約490万円)を大きく上回ります。
ただしこれらは業種全体の平均であり、博報堂の水準はその中でも上位に位置する部類です。学歴別では大学卒の年収換算が約570万円であることを踏まえると、いかに高い水準かが分かります。
- 学術研究・専門・技術サービス:年収換算 約635万円
- 金融・保険:年収換算 約630万円
- 情報通信:年収換算 約585万円
- 大学卒(全体):年収換算 約570万円
- 全産業・一般労働者(男女計):年収換算 約490万円
転職・中途採用で年収を考えるときの注意点
博報堂本体は非上場で単体の平均年収が開示されていないため、転職時は提示された年俸条件と職種・等級を基準に判断することになります。中途入社は最初から年俸制のケースが多く、新卒のような時間制から裁量労働制への切り替えによる一時的な変動は起きにくいとされています。
グループ内でも会社ごとに水準は異なります。関連会社を含めた比較では、読売広告社が約870万円、大広が約700万円、博報堂プロダクツが400万〜800万円といった調査もあり、応募先がどの法人かを必ず確認する必要があります。
- グループ内でも法人ごとに年収水準は大きく異なる
- 中途は年俸制が中心で、等級・職種グレードの確認が重要
- 有報の数字は持株会社のもので、応募先の水準とは一致しない
- 正確な条件は求人票・オファーレターで確認するのが確実
この記事のポイント
- 博報堂DYホールディングスの平均年収1,092万円は、持株会社に在籍する174人の平均
- 実際に働く株式会社博報堂は非上場で、単体の平均年収は開示されていない
- 現場の30歳相場は約993万円、口コミベースでは1,030万〜1,072万円前後
- 平均年齢41.4歳と若い他社を比較するときは、年齢を揃えた補正が有効
- 手取りは額面の約7割前後(1,092万円なら年約778万円)が目安
- 転職時は法人・等級・職種グレードを確認し、有報の数字をそのまま当てはめない