助産師の給料・年収はいくら?平均年収と手取りの目安を解説
助産師の給料は公的統計でどこまでわかる?
助産師の給料を調べるときに最初に押さえておきたいのは、国の基幹統計である賃金構造基本統計調査では「助産師」という職種単独の給料が手軽に確認できる形では公表されていないという点です。同調査は職種(小分類)別の賃金も公表していますが、公表される区分や集計方法によっては該当データが小規模で安定しないため、一般には「医療・福祉」という産業別の数値や、同じ看護職である看護師の数値を参考にすることが多くなります。
そのため本記事では、2025年の賃金構造基本統計調査の全体平均と「医療・福祉」産業の平均を土台にして、助産師の年収レンジを目安として整理します。個別の年収は勤務先や地域で大きく変わるため、あくまで参考値としてご覧ください。
2025年の賃金統計で見る全体の水準
厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与額は男女計で月34万600円(前年比3.1%増)でした。男性は月37万3400円、女性は月28万5900円で、男女間の賃金格差(男性=100)は76.6と、比較可能な1976年以降で最も縮小しています。
所定内給与は残業代などを除いた金額なので、これに超過労働給与と年間賞与を加えたものが実際の年収に近づきます。単純な月給換算だけでなく、賞与を含めた年間の総額で考えることが大切です。
- 一般労働者・男女計:月34万600円(年収換算の目安 約490万円)
- 男性:月37万3400円(同 約540万円)
- 女性:月28万5900円(同 約410万円)
助産師が属する「医療・福祉」産業の平均賃金
助産師は医療・福祉産業に分類される職種です。2025年の同調査では、医療・福祉の所定内給与は男女計で月32万5500円、男性が月38万6900円、女性が月29万8700円となっています。全体平均(男女計34万600円)をやや下回る水準ですが、これは医療・福祉に短時間勤務や非正規の職員も多く含まれることが一因と考えられます。
この金額はあくまで産業全体の平均であり、助産師は免許が必要な専門職であること、夜勤やオンコールがある勤務形態が多いことから、実際の支給額は産業平均より高くなるケースが一般的です。
- 医療・福祉(男女計):月32万5500円
- 医療・福祉(男性):月38万6900円
- 医療・福祉(女性):月29万8700円
助産師の年収レンジの目安
公的統計に助産師単独の数値がないため断定はできませんが、医療・福祉産業の平均と、夜勤手当・超過勤務手当・賞与を含めた総支給を踏まえると、助産師の年収はおおむね400万円台から600万円台の範囲に収まるケースが多いとみられます。新卒から数年は400万円前後、経験を積み夜勤や管理業務を担うと500万〜600万円台、管理職や専門外来ではさらに上を狙える形です。
女性が多い職種であるため、女性一般労働者の平均(月28万5900円・年収換算約410万円)を基準に考えると、助産師は同年代の女性平均より高めになりやすいといえます。ただし病院の規模、公立・私立・大学病院などの設置主体、都市部か地方かで差が大きく、同じ経験年数でも年収に100万円以上の開きが出ることがあります。
- 新人〜若手:おおよそ350万〜450万円
- 中堅(経験5〜10年):おおよそ450万〜550万円
- ベテラン・管理職・専門領域:おおよそ550万〜700万円前後
手取りはどのくらいになる?
年収から実際に手元に残る手取り額は、社会保険料と税金を差し引いた金額になります。目安として、年収400万円台なら手取りはおおよそ310万〜330万円、年収500万円台なら手取りはおよそ380万〜400万円、年収600万円台なら手取りはおよそ450万〜470万円程度になることが多いです。
夜勤手当が多い月は社会保険料や所得税の負担も増えるため、額面の増加ほど手取りは増えません。また住民税は前年の所得に応じて決まるため、年収が上がった翌年に手取りが減ったように感じることもあります。
- 年収400万円台:手取り目安 約310万〜330万円
- 年収500万円台:手取り目安 約380万〜400万円
- 年収600万円台:手取り目安 約450万〜470万円
助産師の給料を左右する主な要素
助産師の給料は、基本給だけでなく各種手当と賞与で構成されます。とくに夜勤手当の有無は大きく、夜勤のある病棟勤務か、外来やクリニックなど日勤中心の勤務かで年収に差が出ます。
また、正社員・正職員かそれ以外かでも条件が変わります。2025年の同調査では、正社員・正職員の所定内給与は男女計で月35万8800円、正社員・正職員以外は月24万1700円となっており、雇用形態による差は無視できません。産休・育休後の復帰方法や時短勤務の利用も、長期的な年収に影響します。
- 夜勤・オンコールの有無と回数
- 病院の規模・設置主体(公立、大学病院、民間など)
- 地域(都市部は手当が厚い傾向、地方は住宅補助などがある場合も)
- 経験年数・役職(主任、師長など)
- 雇用形態(正職員か、パート・派遣か)
年収アップを考えるときの視点
助産師として年収を上げる方法としては、夜勤の多い急性期病院へ移る、管理職や専門資格を目指す、産科外来や不妊治療など専門性の高い領域に移る、といった選択肢があります。ただし夜勤は身体的な負担が大きく、育児や家庭と両立しながら無理なく続けられるかを含めて考える必要があります。
一方で、給料の高い職場に移るだけでは、通勤時間や人間関係などの条件が悪化することもあります。求人情報を見るときは、基本給・諸手当・賞与の支給月数・夜勤回数を合わせて確認し、年収ベースで比較することが大切です。
- 基本給と手当の内訳を確認する
- 賞与の支給月数(何か月分か)を確認する
- 夜勤回数と夜勤手当の単価を確認する
- 育休・時短復帰の実績があるかを確認する
この記事のポイント
公的統計には助産師単独の給料は確認しにくく、医療・福祉産業や看護職の数値を参考にするのが現実的です。2025年の統計では全体平均が男女計で月34万600円、医療・福祉は男女計で月32万5500円でした。
これらを踏まえると、助産師の年収はおおむね400万円台から600万円台が目安の範囲となります。夜勤や役職、雇用形態、地域によって差が大きいため、求人を見るときは年収ベースで比較しましょう。
- 助産師単独の公的賃金データは乏しく、産業平均が参考になる
- 医療・福祉(男女計)の所定内給与は月32万5500円
- 年収の目安はおおむね400万〜600万円台、経験・夜勤・役職で変動
- 手取りは年収400万円台で約310万〜330万円が目安
- 給与は基本給・手当・賞与の内訳と夜勤回数まで確認して比較する