公務員の平均年収はいくら?国家・地方別の年収と手取りの目安
公務員の年収は「国家640万〜680万円台・地方660万円前後」がひとつの目安
公務員の年収は、国家公務員でおおむね640万〜680万円台、地方公務員で660万円前後というレンジで語られることが多くなっています。ただしこの差は、能力や成果の違いではなく「何を年収に含めるか」という算出方法の違いによるものです。
人事院の調査をもとにした集計では、国家公務員の平均年収は約638万9千円(月給414,480円×12ヶ月+ボーナス1,414,900円)とされています。一方、諸手当を含めた月額とボーナス月数から推計する形では約680万円という数字も示されており、同じ国家公務員でも出典によって数十万円の幅が出ます。
本記事では、公的統計と公表資料で確認できる数字を中心に、国家公務員・地方公務員それぞれの年収水準と、手取りの考え方を整理します。
- 国家公務員:平均年収 約640万〜680万円台
- 地方公務員(一般行政職):平均年収 約660万円前後
- 地方公務員(教育職):約720万円、警察職:約700万円という試算もある
- いずれも平均値であり、年齢・職種・地域で大きく変動する
国家公務員の平均年収:月給41万円台+ボーナス4.65ヶ月分
人事院が公表した調査データでは、国家公務員の平均月額給与は414,480円、年間の基本給与(ボーナス除く)は4,973,760円、ボーナスは年2回合計4.65ヶ月分で1,414,900円、合計6,388,660円とされています。
月額給与の内訳をみると、基本給(俸給)が332,237円と約8割を占め、残り2割が各種手当です。手当のなかでは地域手当等の44,844円が最も大きく、勤務地による生活費の差を調整する役割を担っています。
- 平均月額給与:414,480円(基本給332,237円+各種手当)
- ボーナス:年2回・合計4.65ヶ月分で約141万円
- 年間の基本給与:約497万円
- 合計の平均年収:約639万円
年齢別の年収:20代450万円台、30歳520万円台、40歳690万円台
国家公務員の年収は年齢とともに段階的に上がります。公表されている集計では、20代で約450万円、30歳で約528万円、40歳で約699万円が目安とされています。
40歳前後(経験年数15〜20年未満)の内訳を見ると、給与の目安が月342,295円・年4,107,540円、各種手当が月84,889円・年1,018,668円、ボーナスが年1,868,679円で、合計6,994,887円という計算です。
昇進のスピードによって差が開くため、あくまで平均的な在職者像として捉えてください。
- 20代:約450万円
- 30歳:約520万円台
- 40歳:約690万円台
- 役職が上がるほど上位の俸給表・号俸に移り、差が拡大する
職種別の年収:国税専門官・国家総合職は高め、国家一般職は平均並み
同じ国家公務員でも、適用される俸給表によって年収水準は異なります。特別な俸給表が適用される国税専門官は720万円以上、昇進の速い国家総合職は700万円程度が目安とされます。
一方、採用数が最も多い国家一般職は640万円程度で、国家公務員全体の平均とほぼ同水準です。裁判所事務官は640万〜700万円とされ、書記官になると大きく上がる点が特徴です。
これらの金額は平均値・推計値であり、個人の年収を保証するものではありません。
- 国税専門官:720万円以上(特別俸給表)
- 国家総合職:700万円程度(昇進が速い)
- 裁判所事務官:640万〜700万円(書記官で上昇)
- 財務専門官:640万円以上
- 国家一般職:640万円程度(標準的水準)
地方公務員の年収:平均給与月額41万4千円前後、政令市はさらに高い
総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」(令和7年4月1日現在)によると、全地方公共団体の一般行政職の平均給与月額(手当込み)は413,968円、平均年齢は42.0歳、平均給料月額(基本給)は326,911円、諸手当月額は87,057円です。
団体区分別では、全都道府県が420,139円、全政令指定都市が445,629円、全市区町村が403,966円となっており、政令市は地域手当の支給率が高いため平均給与月額が大きくなります。
なお、この調査には「年収」という項目自体は存在しません。月額を12倍してボーナスを足せば年収らしい数字は作れますが、それは公表値ではなく推計値である点に注意が必要です。
- 全地方公共団体:平均給与月額413,968円/平均年齢42.0歳
- 全都道府県:420,139円
- 全政令指定都市:445,629円(地域手当支給率10.8%)
- 全市区町村:403,966円
- ラスパイレス指数(国=100):全地方公共団体98.9
民間との比較:男性平均576万円より高いが「突出」ではない
厚生労働省「令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査」では、一般労働者の所定内給与は男女計340,600円、男性373,400円、女性285,900円でした。これを年収換算すると、男女計で約490万円、男性で約540万円前後がひとつの参考値になります。
民間男性の平均年収を約576万円とした場合、国家公務員の平均680万円は100万円以上上回ります。ただし年収偏差値で見ると約54.9(100人中22位相当)、地方公務員は約53.9(27位相当)と、「平均よりやや上」という穏やかな位置づけです。
国家公務員の月額水準は情報通信業とほぼ同等とも指摘されており、「公務員は民間より必ず高い」と単純化できるものではありません。
- 民間・一般労働者(男女計):月額340,600円/年収換算 約490万円
- 民間・男性:月額373,400円/年収換算 約540万円前後
- 民間・女性:月額285,900円/年収換算 約410万円
- 年収偏差値:国家公務員 約54.9、地方公務員 約53.9
手取りの目安:年収640万円なら手取りはおおむね480万〜500万円前後
年収から実際に受け取る手取り額は、所得税・住民税・社会保険料などが差し引かれた後の金額です。一般的には年収のおよそ75〜80%程度が手取りの目安とされ、年収640万円であれば480万〜500万円前後、年収680万円であれば510万〜540万円前後がひとつの目安になります。
実際の手取りは、扶養家族の有無、住居手当・地域手当の額、住民税の自治体差、共済組合の掛金などで変わります。正確な金額は勤務先の給与明細や源泉徴収票で確認してください。
なお、公務員は共済組合に加入するため、民間の健康保険・厚生年金とは掛金の率や制度が異なります。単純な比較はできません。
- 年収640万円:手取り 約480万〜500万円前後(目安)
- 年収680万円:手取り 約510万〜540万円前後(目安)
- 扶養・住居・地域手当・住民税の差で変動する
- 正確な額は源泉徴収票や給与明細で確認する
地域差と改定動向:東京は地域手当20%、2025年勧告で年収増の見込み
地域手当は物価や民間賃金の水準に応じて基本給に上乗せされる手当で、東京特別区では基本給の20%が加算されるとされ、地方都市との年収差は年間100万円規模になることがあります。
2025年(令和7年)の人事院勧告では初任給とボーナスが引き上げられ、年収は約20万円増える見込みと報じられています。人事院の比較でも、民間給与443,507円に対し国家公務員428,451円と15,056円(3.51%)の較差があり、民間の特別給が4.72月分であるのに対し国家公務員は4.65月分という状況です。
制度改正や勧告の内容は年度ごとに変わるため、最新の公表資料を確認することをおすすめします。
- 東京特別区:地域手当が基本給の20%加算
- 地方都市との年収差は年間100万円規模になることも
- 民間給与443,507円 vs 国家公務員428,451円(較差3.51%)
- 2025年勧告で年収が約20万円増える見込み
この記事のポイント
- 国家公務員の平均年収は約640万〜680万円台、地方公務員は約660万円前後が目安
- 国家公務員の平均月額給与は414,480円、ボーナスは年4.65ヶ月分で約141万円
- 年齢別では20代450万円台、30歳520万円台、40歳690万円台と段階的に上昇
- 国税専門官720万円以上、国家総合職700万円程度、国家一般職640万円程度と職種差がある
- 地方公務員の平均給与月額は413,968円、政令市は445,629円と高め
- 民間男性平均(年収約576万円)より高いが、年収偏差値では55前後と突出はしていない
- 手取りは年収の75〜80%程度が目安。地域手当や扶養で変動するため、正確な額は公的資料で確認を