個人事業主の手取り早見表|所得別の目安と会社員との違い

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個人事業主の「手取り」は会社員と計算方法が違う

会社員の手取りは「額面の給与 − 所得税・住民税・社会保険料」で計算されます。一方、個人事業主には「額面」という考え方がなく、売上から必要経費を引いた事業所得がスタート地点になります。そこから所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料、場合によっては個人事業税や消費税を支払った残りが、実質的な手取りです。

つまり個人事業主の手取りは、所得の金額だけでなく、青色申告特別控除や各種所得控除、家族構成、都道府県・市区町村の保険料率、加入する年金の種類によって大きく変わります。本記事の早見表はあくまで概算の目安としてご利用ください。

  • 会社員:社会保険料は会社と折半、所得税は給与所得控除と年末調整で計算
  • 個人事業主:社会保険料は全額自己負担、確定申告で所得税と住民税を計算
  • 国民健康保険料は前年の所得に応じて決まり、自治体差が大きい
  • 国民年金保険料は定額(年度ごとに改定)で所得に関係なく発生する

所得別・個人事業主の手取り早見表(概算)

以下は「事業所得(売上 − 経費)」から、所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金保険料を差し引いたおおよその手取り額です。独身・40歳未満・青色申告特別控除65万円・基礎控除などの一般的な控除を前提にした概算レンジで、実際の金額は条件により変動します。

国民健康保険料は自治体ごとに大きく異なるため、幅を持たせています。あくまで「だいたいこのくらい」という目安としてご覧ください。

  • 事業所得100万円:手取りの目安 約70万〜85万円(住民税の均等割や国保の均等割で負担感が重くなりやすい)
  • 事業所得200万円:手取りの目安 約150万〜165万円
  • 事業所得300万円:手取りの目安 約220万〜240万円
  • 事業所得400万円:手取りの目安 約290万〜310万円
  • 事業所得500万円:手取りの目安 約360万〜380万円
  • 事業所得700万円:手取りの目安 約490万〜515万円
  • 事業所得1000万円:手取りの目安 約670万〜710万円

会社員の手取りと比べるとどうなるか

厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与は男女計で月額340.6千円、単純に12か月換算すると年収の参考値はおおむね490万円前後になります。男性は月額373.4千円、女性は月額285.9千円で、男女間の賃金格差(男=100)は76.6と公表されています。

会社員は社会保険料を会社と折半するため、同じ「年収500万円」でも手取りは個人事業主より多くなりやすい傾向があります。個人事業主は国民健康保険料と国民年金保険料を全額自分で負担するため、所得500万円前後では手取りが会社員より数十万円少なくなるケースが一般的です。

  • 一般労働者・男女計の所定内給与は月額340.6千円(前年比3.1%増)
  • 男性は月額373.4千円、女性は月額285.9千円
  • 学歴別では高校卒297.2千円、大学卒396.3千円
  • 企業規模別では大企業385.1千円、小企業305.6千円
  • 産業別では電気・ガス・熱供給・水道業444.0千円が最も高く、宿泊業・飲食サービス業277.2千円が最も低い

手取りを増やすために使える主な制度

個人事業主の手取りを増やす方法は、大きく「経費と控除を正しく計上する」「税制優遇のある制度を使う」の2つです。特に青色申告特別控除や小規模企業共済、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、所得控除によって所得税・住民税・国民健康保険料の負担を同時に軽くできる可能性があります。

ただし、いずれも掛け金を払うことで手元の現金は減るため、短期的な手取り額が増えるわけではありません。老後の資産形成と税負担のバランスを考えて活用するのが現実的です。

  • 青色申告特別控除(最大65万円)で課税所得を圧縮する
  • 小規模企業共済やiDeCoの掛け金を所得控除に使う
  • 国民年金保険料は社会保険料控除の対象になる
  • 家族がいる場合は配偶者控除・扶養控除の要件を確認する
  • インボイス制度や消費税の課税事業者判定も資金繰りに影響する

早見表を使うときの注意点

本記事の早見表は、あくまで一般的な条件を置いた概算です。国民健康保険料は自治体ごとに料率・賦課限度額が異なり、同じ所得でも年間で数万円から十数万円の差が出ることがあります。また、40歳以上65歳未満の方は介護保険料が上乗せされるため、手取りはさらに減ります。

個人事業主の所得や手取りに関する公的な全国統計は、給与所得者に比べて公表されている範囲が限られています。そのため、本記事では会社員の賃金統計を比較用の参考値として用いています。正確な税額や保険料は、国税庁やお住まいの自治体、税理士などの専門家にご確認ください。

  • 国民健康保険料は自治体差が大きく、早見表の金額は一律ではない
  • 40歳以上は介護保険料が加算される
  • 事業税がかかる業種・所得水準ではさらに負担が増える
  • 売上ではなく所得ベースで考えることが重要
  • 実際の納付額は確定申告や自治体の通知で必ず確認する

この記事のポイント

個人事業主の手取りは「事業所得 − 所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金保険料など」で考えます。会社員より社会保険料の自己負担が重く、同じ年収水準でも手取りは少なくなりやすい点が大きな違いです。

  • 事業所得300万円で手取りはおおよそ220万〜240万円が目安
  • 事業所得500万円で手取りはおおよそ360万〜380万円が目安
  • 国民健康保険料は自治体差が大きく、早見表はあくまで概算
  • 一般労働者の所定内給与は男女計で月額340.6千円(2025年調査)
  • 青色申告特別控除・小規模企業共済・iDeCoで課税所得を圧縮できる

参考情報

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