休職中の給料はどうなる?傷病手当金と年収への影響を解説
休職中の給料は「会社の就業規則」と「制度」で決まる
休職中の給料は、法律で一律に「この金額」と決まっているわけではありません。まず確認すべきは勤務先の就業規則で、私傷病による休職の場合、無給(0円)となるケースが一般的です。一方で、一定期間は給与の一部(例えば月給の60%前後)を支給する会社や、まず有給休暇を消化する運用の会社もあります。
そのため「休職中も必ず給料が出る」「必ず無給になる」と断定はできません。就業規則・賃金規程・労使協定の有無を、休職前に人事や総務に確認しておくことが重要です。
- 私傷病休職:無給が中心。就業規則で一部支給の会社もある
- 有給休暇の消化分:通常どおり賃金が支払われる
- 会社独自の休業補償:規程に基づき月給の一部が支給されることがある
無給でも「傷病手当金」で月20万円前後を受け取れることが多い
私傷病で休職し、会社から十分な給与が支払われない場合、健康保険の傷病手当金が利用できます。支給額は、おおむね「標準報酬日額(直近12か月の標準報酬月額の平均÷30)の3分の2」に、休んだ日数を掛けた金額です。
例えば月給(標準報酬月額)30万円の場合、日額は約6,670円、30日分で月約20万円が目安になります。月給20万円なら日額約4,440円・月約13万円台、月給40万円なら日額約8,890円・月約26万円台が一つの目安です。年収換算では、傷病手当金のみの期間は約160万円〜約320万円のレンジになる計算です(非課税のため手取り感はやや軽くなります)。
なお傷病手当金には、原則として連続する最長1年6か月という支給期間の制限があります。
- 月給20万円:傷病手当金 月13万円台(年収換算 約160万円)
- 月給30万円:傷病手当金 月20万円前後(年収換算 約240万円)
- 月給40万円:傷病手当金 月26万円台(年収換算 約320万円)
- 受給には「業務外の病気・ケガ」「連続3日以上の欠勤」などの要件がある
参考:日本の平均的な給与・年収の水準
休職前の年収がどのくらいだったかを把握しておくと、休職による収入減を具体的に比較できます。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与は男女計で月34.06万円、男性37.34万円、女性28.59万円でした。
年収に換算すると、賞与を含む概算レンジとして男女計で約490万円前後、男性で約540万円前後、女性で約410万円前後が一つの目安になります。休職中に傷病手当金のみとなると、これらの6割前後以下まで収入が下がる可能性があります。
- 一般労働者・男女計:所定内給与 月34.06万円/年収概算 約490万円
- 男性:所定内給与 月37.34万円/年収概算 約540万円
- 女性:所定内給与 月28.59万円/年収概算 約410万円
休職中でも発生する費用と、年収への影響
休職中は給料が減っても、社会保険料(健康保険・厚生年金)や住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、負担が続きます。休職中に給与が無給の場合、健康保険料や厚生年金保険料は、休職前に受け取った給与から継続して徴収される運用が一般的です。
また、休職期間は厚生年金の納付が続く場合もありますが、報酬が下がるため将来の年金額が減る可能性があります。さらに、傷病手当金は非課税所得である一方、会社から支払われる休職中の給与は課税対象です。翌年の住民税や社会保険料の負担がどのように変わるかも、休職前にシミュレーションしておくことをおすすめします。
- 社会保険料:休職前の給与から継続徴収されることが多い
- 住民税:前年所得ベースで課税され、休職中も納付が必要
- 厚生年金:休職期間中の報酬減で将来の受給額に影響し得る
- 傷病手当金は非課税、会社からの給与は課税対象
復職後の年収はどうなる?短期的な視点と長期的な視点
復職後に元の職務・勤務時間に戻れば、年収は休職前の水準に戻るのが一般的です。一方で、復職時に時短勤務や配置転換、職種変更となった場合は、年収が下がる可能性があります。例えば時短勤務で労働時間が8割になれば、単純計算で年収もおおむね8割程度(約490万円→約390万円前後)になるイメージです。
休職期間が長引くと、昇給・賞与の査定に影響し、復職後数年単位で年収が伸び悩むケースもあります。ただし、これらは会社の制度や評価によって異なるため、断定的に「年収が必ず下がる」とは言えません。不安が大きい場合は、休職前に人事へ復帰条件を確認しておきましょう。
- フルタイム復帰:休職前と同水準に戻るケースが多い
- 時短・配置転換:年収は6〜9割程度になる可能性
- 昇給・賞与:休職期間が査定に影響することもある
休職前後に確認したいチェックリスト
休職中の給料と傷病手当金は、申請手続きや期限が関わるため、早めの確認が大切です。傷病手当金は、業務外の病気・ケガで療養のため労務不能となった場合に、健康保険から支給されます。会社が手続きを代行するケースが多いですが、自身で必要書類を確認しておくと安心です。
給与の支払いが止まるタイミング、社会保険料の扱い、傷病手当金の申請状況、復職の条件などは、勤務先や加入している健康保険によって異なります。不明な点は、人事・総務または加入先の健康保険組合・協会けんぽなどに確認してください。
- 就業規則で休職中の賃金の有無を確認
- 傷病手当金の申請書類と提出タイミングを確認
- 社会保険料・住民税の支払い方法を確認
- 復職時の勤務条件・給与条件を事前にすり合わせる
この記事のポイント
休職中の給料は就業規則次第で、私傷病では無給が一般的。会社によっては月給の一部が支給されることもあります。
無給の場合でも、傷病手当金で月13万〜26万円台(年収換算で約160万〜320万円)が目安になることが多いです。
日本の平均は男女計で月34.06万円・年収概算約490万円前後。休職中は収入が大きく下がる可能性があります。
休職中も社会保険料・住民税の負担は続くため、事前の確認と資金計画が重要です。
復職後の年収は勤務条件により変動します。不安な点は勤務先や健康保険に早めに相談しましょう。