介護職の年収はいくら?平均388万円の実態と手取り目安
介護職の平均年収はいくら?2025年調査の数字
厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査をもとにした集計では、介護職の平均年収は「施設介護で約388万円(388万200円)」「訪問介護で約382万円(381万8,900円)」という水準が確認されています。月給ベースでは施設介護27万7,700円、訪問介護28万1,600円で、賞与を含めた年収換算では施設介護のほうが約6万円高くなっています。
同じ調査の全産業・一般労働者の平均は月額34万600円(男女計)で、単純な年収換算ではおよそ490万〜546万円台とされ、介護職は依然として低めの水準にあります。ただし介護職員の賞与込み月給は過去16年で徐々に改善しており、令和8年度(2026年度)の介護報酬改定では+2.03%の処遇改善が予定されている点も押さえておきたいところです。
- 施設介護:平均年収 約388万円(月給27万7,700円ベース)
- 訪問介護:平均年収 約382万円(月給28万1,600円ベース)
- 全産業の一般労働者:月額34万600円(男女計・2025年)
- 2026年度介護報酬改定:+2.03%の改善が予定
施設形態別の年収相場|特養・老健・訪問介護の違い
同じ介護職でも、勤務先の施設形態によって年収には数十万円の差が出ます。厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査などをもとにした試算では、介護老人福祉施設(特養)や特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホームなど)が相対的に高く、小規模多機能型居宅介護は低めという傾向が見られます。
一方、求人サービス会員の実績データでは、公的統計より50万円以上低い職場もあり、加算の取得状況や勤続年数によって実態は変動します。施設形態の名前だけで判断せず、処遇改善加算の取得状況や夜勤回数まで確認することが重要です。
- 介護老人福祉施設(特養):約434万円(公的調査ベースの試算)
- 特定施設入居者生活介護:約433万円
- 介護老人保健施設(老健):約423万円
- 訪問介護事業所:約420万円
- 小規模多機能型居宅介護:約366万円
- 求人サービス会員データでは特養 約397万円など、公的統計より低めに出る場合がある
都道府県別の年収差は最大約130万円
介護職の年収は地域差も大きく、施設介護・訪問介護のいずれも東京や神奈川などの都市部が高く、東北や一部地方は低い傾向があります。集計では東京の施設介護が約439万円、岩手が約309万円で、その差は最大約130万円にのぼるとされます。
ただし家賃や物価も地域で大きく異なるため、額面の年収差をそのまま生活の豊かさと受け取るのは適切ではありません。手取りと生活費のバランスで比較する視点が必要です。
- 施設介護:東京 約439万円/神奈川 約438万円/千葉 約430万円
- 訪問介護:栃木 約463万円/千葉 約454万円など都市近郊が高い例も
- 地方は300万円台前半の水準にとどまる地域もある
- 額面ではなく家賃・物価を差し引いた実質的な使える額で比較する
経験年数・資格で年収はどこまで変わる?
勤続年数が長くなるほど年収は上がりますが、1年あたりの昇給は平均5万〜6万円程度にとどまり、1〜4年と10年以上を比べても差は約56万円とされています。同じ職場に長く勤めるだけでは大幅な年収アップは見込みにくいのが実情です。
職種別の月額給与を見ると、介護老人福祉施設では介護福祉士が約23万9,000円、その他の介護職員が約20万7,000円で、資格の有無で月3万円前後の差が生じています。資格取得や役職就任、夜勤のある職場への転換などが年収を動かす要素になります。
- 勤続1〜4年と10年以上の年収差:約56万円
- 年1回の昇給目安:5万〜6万円程度
- 特養の介護福祉士:月額約23万9,000円
- 特養のその他の介護職員:月額約20万7,000円
- 資格・役職・夜勤の有無が年収差を生みやすい
手取りの目安|年収400万円なら月20万円台前半〜
年収から所得税・住民税・社会保険料が差し引かれた手取りは、一般的に額面の75〜85%程度が目安とされます。年収380万〜390万円の介護職であれば、手取りは年間でおよそ300万〜320万円、月換算で23万〜25万円前後というイメージになります。
夜勤手当や時間外手当は月ごとに変動し、集計対象外となる場合もあります。実際の支給額は勤務形態によって変わるため、求人票の基本給だけでなく各種手当と賞与の回数を必ず確認してください。
- 年収380万円:手取りは年間約300万円台の想定
- 年収400万円:手取りは月20万円台前半〜半ばが目安
- 夜勤・残業手当の有無で手取りは大きく変動する
- 賞与は年2回・計2〜3か月分の職場が多い
年収を上げるための現実的な方法
介護職で年収を上げるには、まず処遇改善加算を取得している事業所を選ぶことが近道です。同じ職種でも加算の有無で実質賃金に差が出ます。次に、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得、夜勤のある施設への転職、リーダー・管理者への昇進などが選択肢になります。
また、訪問介護は夜勤が少ない分、年収では施設介護にやや劣る傾向があります。どの働き方を優先するかを整理したうえで、求人段階で年収レンジと手当の内訳を比較検討するのが現実的です。
- 処遇改善加算を取得している事業所を選ぶ
- 介護福祉士・ケアマネジャーなど資格を取得する
- 夜勤のある施設や介護疗養型施設など手当の厚い職場を検討する
- リーダー・管理者として役職手当を狙う
- 複数求人の年収レンジと手当内訳を並べて比較する
この記事のポイント
- 2025年調査ベースの介護職平均年収は施設介護 約388万円、訪問介護 約382万円
- 全産業平均(約490万〜546万円)と比べると依然として低めの水準
- 施設形態では特養・特定施設が高く、小規模多機能は低めの傾向
- 都道府県差は最大約130万円。物価や家賃を考慮した比較が必要
- 昇給は年5万〜6万円程度。資格・役職・加算取得が年収アップのカギ