事務職の年収はいくら?2025年統計から見る平均と手取りの目安
事務職の年収はどのくらい?結論の目安
事務職の年収は、正社員・フルタイム勤務であればおおむね300万円台後半〜500万円台が中心的なレンジで、企業規模・地域・業種・役職・雇用形態によって200万円台から600万円台まで幅広く分布します。「事務職だから一律この金額」という決まった水準はなく、条件による差が非常に大きい職種です。
参考になるのが厚生労働省の「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」です。同調査では一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与額が男女計で月額340.6千円と公表されており、単純に12か月分と賞与を足した年収換算ではおおよそ400万円台前半〜490万円前後が目安になります(mhlw.go.jp)。
ただし事務職は職種のなかでも給与レンジが広く、上記はあくまで全体平均からの参考値です。実際の年収は担当業務の専門性や役職、勤務先の産業によって上下します。
- 一般的なレンジ:年収300万円台〜500万円台(正社員・フルタイムの目安)
- 全体平均ベースの換算値:月額340.6千円 → 年収400万円台前半+賞与
- 高めになりやすい条件:金融・メーカー・専門サービス、管理職、大企業、都市部
- 低めになりやすい条件:非正規雇用、短時間勤務、小規模事業所、地方
2025年の賃金統計で見る全体像
令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の所定内給与額(月額)は男女計340.6千円(前年比3.1%増)、男性373.4千円(同2.8%増)、女性285.9千円(同3.9%増)でした。調査対象は10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所などで、有効回答率は75.4%とされています(mhlw.go.jp)。
男女間の賃金格差(男性=100)は76.6で、比較可能な1976年以降で最も格差が縮小したと報告されています。とはいえ事務職は女性比率が高い職種でもあるため、同じ「事務職」でも男女で年収水準に差が出やすい点は意識しておきたいところです。
年齢別では男性のピークが55〜59歳(445.6千円)、女性は45〜49歳および55〜59歳(305.7千円)が最も高い水準となっています。女性は男性に比べて賃金の上昇が緩やかという特徴も示されています。
- 一般労働者・男女計:月額340.6千円(前年比+3.1%)
- 男性:月額373.4千円/女性:月額285.9千円
- 男女間賃金格差(男性=100):76.6で過去最小
- 賃金のピーク:男性55〜59歳、女性45〜49歳・55〜59歳
職種別に見た「事務従事者」の位置づけ
労働政策研究・研修機構(JILPT)が2025年調査の結果を紹介した記事では、一般労働者の職種大分類別賃金は「管理的職業従事者」が591.0千円(年齢51.5歳、勤続22.6年)で最も高く、次いで「専門的・技術的職業従事者」379.8千円、「販売従事者」340.1千円などとされています(jil.go.jp)。
同記事によれば、賃金がピークとなる年齢階級は職種によって異なり、「管理的職業従事者」「事務従事者」「販売従事者」などは50歳代後半でピークを迎えます。「事務従事者」は長く在籍するほど賃金が上がりやすい職種だと考えられます。
なお、事務職(事務従事者)に限定した具体的な平均月額・平均年収の数値は、今回確認した検索結果の抜粋では明示されていません。e-Statの職種(小分類)別統計表に関連データが収録されているため、正確な数値が必要な場合は政府統計の総合窓口で確認するのが確実です(e-stat.go.jp)。
- 管理的職業従事者:591.0千円(職種別で最高水準)
- 専門的・技術的職業従事者:379.8千円
- 販売従事者:340.1千円
- 事務従事者は50代後半まで賃金が上昇しやすい傾向
- 事務職限定の平均額は今回の抜粋では不明・要確認
年収を左右する4つの要素
1つ目は学歴です。2025年調査では男女計の所定内給与額が高校297.2千円、専門学校313.7千円、高専・短大321.2千円、大学396.3千円、大学院517.4千円となっています。大学卒は高校卒より月額で約10万円高く、年収換算では100万円前後の差につながる水準です。
2つ目は産業です。産業別では「電気・ガス・熱供給・水道業」444.0千円、「学術研究,専門・技術サービス業」440.3千円が高く、「宿泊業,飲食サービス業」277.2千円が最も低い水準でした。同じ事務職でも業界によって年収水準は大きく変わります。
3つ目は役職です。2025年調査では係長級399.2千円、課長級529.2千円、部長級ではさらに高い水準が示されています(mhlw.go.jp)。管理職に就くことは年収を大きく引き上げる要因のひとつです。
4つ目は勤続です。勤続年数別では男女計で30年以上が444.2千円と最も高く、長期就業が賃金上昇につながる構造が確認できます。加えて、正社員か非正規か、フルタイムか短時間勤務かという雇用・就業形態の違いも年収差を生みます。短時間労働者の1時間当たり賃金は男女計1,518円で、フルタイムとの年収差は大きくなりがちです。
- 学歴:高校297.2千円/大学396.3千円(月額・男女計)
- 産業:電気・ガス等444.0千円〜宿泊・飲食277.2千円
- 役職:係長級399.2千円、課長級529.2千円
- 勤続:30年以上で444.2千円が最高水準
- 雇用形態:正社員か非正規か、フルタイムか短時間かで差
事務職の年収レンジ別イメージ
月収(所定内給与)と賞与の組み合わせから、事務職の年収を大まかにイメージすると次のようになります。あくまで一般的な目安であり、業種・地域・企業規模で実際の金額は変動します。
たとえば月給20万円前後で賞与が少ない場合、年収は280万〜300万円台になりやすく、月給25万円前後なら年収350万〜400万円台、月給30万円を超えると年収450万〜500万円台が視野に入ります。管理職や専門性の高い事務職(経理・人事・法務・財務など)ではさらに上振れするケースもあります。
一方で、非正規の事務職や短時間勤務では年収200万円台にとどまることも珍しくありません。「事務職の平均」という言葉だけを見て判断せず、自分の雇用形態・勤務地・業界に近い条件のデータを確認することが重要です。
- 月給20万円前後:年収280万〜300万円台
- 月給25万円前後:年収350万〜400万円台
- 月給30万円前後:年収450万〜500万円台
- 専門性の高い事務・管理職:500万円台以上も視野
- 非正規・短時間:200万円台になるケースもある
手取りの目安をどう考えるか
年収から実際に受け取る手取り額は、社会保険料と税金が差し引かれた後の金額です。一般的には年収のおよそ75〜80%程度が手取りの目安になると言われ、年収350万円なら手取り270万〜285万円前後、年収450万円なら手取り345万〜360万円前後が一つの目安になります。
ただし手取り額は、健康保険や厚生年金の加入状況、扶養家族の有無、住民税の額、自治体によって異なります。正確な金額を知りたい場合は、勤務先の給与明細や自治体の税額通知、社会保険料の計算ツールで確認するのが確実です。
事務職は残業が比較的少ない職場も多いため、月収が同じでも残業代込みの職種より手取りが少なくなりやすい点には注意が必要です。
- 手取りの目安:年収のおよそ75〜80%
- 年収350万円 → 手取り270万〜285万円前後
- 年収450万円 → 手取り345万〜360万円前後
- 実際の額は保険・税・家族構成で変動する
事務職の年収を上げる方法
事務職で年収を上げる現実的な方法は、①専門性の高い職種に寄せる、②管理職を目指す、③年収水準の高い業界・企業へ転職する、④資格やスキルで付加価値を高める、の4つが中心になります。
経理・財務、人事・労務、法務、総務のなかでも制度設計や労務対応など専門性が高い領域は、一般事務より給与水準が高くなりやすい傾向があります。日商簿記、社会保険労務士、FP、IT系の実務スキルなどは、事務職から専門職へステップアップする際の材料になります。
また、2025年調査では学術研究・専門・技術サービス業や金融・保険業、電気・ガス・熱供給・水道業などが高い賃金水準を示しています。業界を変えるだけでも年収が大きく変わる可能性があるため、転職時は職種だけでなく業界も含めて比較検討するとよいでしょう。
なお、年収アップを保証する方法はありません。資格取得や転職がどの程度評価されるかは企業や時期によって異なるため、求人票や面接での確認を通じて判断することが大切です。
- 専門性の高い事務(経理・人事・法務など)を目指す
- 係長・課長などの管理職を視野に入れる
- 賃金水準の高い業界・企業へ転職する
- 簿記・社労士・FP・ITスキルなどで付加価値を高める
- 資格や転職が評価されるかは企業ごとに異なる点に注意
データを見るときの注意点
賃金構造基本統計調査で示される「賃金」は、調査年の6月分として支払われた所定内給与額の平均です。残業代などの超過労働給与や賞与・期末手当は含まれていないため、そのまま年収とみなすことはできません。年収換算する場合は、賞与や残業代を別途加えて考える必要があります。
また、調査対象は10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所などに限定されており、小規模事業所や一部の雇用形態はカバーされていません。自分の勤務先の規模や雇用形態が統計の前提と一致しているかを確認したうえで参考にしてください。
事務職(事務従事者)の具体的な平均年収は、今回の検索結果では数値が明示されていませんでした。正確な値を確認したい場合は、政府統計の総合窓口(e-Stat)で職種別統計表を参照することをおすすめします(e-stat.go.jp)。
- 統計の「賃金」は所定内給与(月額)で、賞与・残業代は含まれない
- 調査対象は10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所など
- 小規模事業所・一部雇用形態は統計の対象外
- 事務職限定の平均値は今回の抜粋では不明
この記事のポイント
事務職の年収は一概には決まらず、業種・役職・学歴・雇用形態で大きく変動する点を押さえておきましょう。
- 事務職の年収目安はおおむね300万円台〜500万円台(正社員・フルタイム)
- 2025年の一般労働者・男女計は月額340.6千円(前年比+3.1%)
- 男女間賃金格差は76.6で過去最小、ただし職種内の差は残る
- 学歴(高校297.2千円/大学396.3千円)で年収差が出やすい
- 業界・役職・勤続年数も年収を左右する重要な要素
- 手取りは年収のおよそ75〜80%が一つの目安
- 事務職限定の平均値は政府統計(e-Stat)で確認するのが確実